海岸線をどこまでも西へ 伊豆半島の東海岸の旅も伊東・城ヶ崎海岸を経て、さらに南へ 
◆第6日目 (2013年9月28日) 伊豆稲取駅 〜 下田プリンスホテル

  現在地
     

  1 稲取駅                      2 稲取港 その1
   

 伊豆半島の6日目は、稲取からの出発である。ちなみに、稲取町という自治体はなく、東伊豆町である。稲取は、子供のころ親戚と一緒に海水浴にきた記憶がある。それ以来だ。海で親戚のおじさんが河豚をモリで採ったことだけは鮮明に覚えている。河豚以外の魚は俊敏なので、素人では突けなかったのだろう。海水浴場でモリを使ってよいのか疑問が残るが、まあ、大昔のことなので、不問にしてもらいたい。



 3 稲取港 その2


 今日は、国道を離れて稲取港から海沿いに回り込んでいく。

  4 稲取港 その3                  5 鎌倉大仏もどき
   

 建物の上にある大仏様の顔は鎌倉の大仏とまったく同じ顔だった。



  6 稲取岬への道
     

 7 北を振り返る

  8 新島                       9 利島
   

 今日は快晴で稲取海岸から伊豆諸島がよく見える。

  10 愛恋岬入口                   11 龍宮神社
   

 愛恋岬という濃い名前の岬の指標があったので山道を登っていく。

  12 愛恋岬
     

  13 愛恋岬解説板
     

 解説板を読むが、歴史的な記述はなかった。どう考えても岬の名前は近年つけられたものだろう。



  14 どんつく神社                  15 どんつく祭の由来
   

 その先の神社のご神体はいわゆる秘宝館にあるタイプのものらしい。まさか、愛恋岬という名前はこのご神体からつけられたものではないと思うが、まあ、コンセプトは一致している。祭りもものすごいらしい。伝統行事だから許されるが、今から始めようとしてもフェミニスト団体や教育関係団体からセクハラと訴えられて絶対に認められないだろう。おおらかな昔のほうが良かったのかどうかはわからないが。

 16 稲取岬灯台


 その隣の灯台までご神体と同じ形をしていたらどうしようかと心配したが、海上保安庁もさすがにそこまで軟らかくはないようだ。ごく普通の灯台である。

  17 稲取岬灯台解説板
     

 灯台から、密集した民家の路地を抜けると、写真19の昔ながらの商店街に出た。

  18 稲取の下町                   19 稲取商店街
   

 右手に小学校があり、ちょうど運動会をやっているところだった。にぎやかである。晴れてよかった。

  20 稲取小学校                   21 国道との合流地点
   

 その先で、道は国道135号線と合流する。セブンイレブンでカロリーを補給して、ここから国道歩きである。市街地なので、歩道があって一安心である。

  22 国道を歩く
     

 23 国道からみる稲取海岸



 24 パームツリー並木

 パームツリーの並木が南国気分を盛り上げている。徒歩での遅々とした歩みであるが、少しずつ南に向かっていることが実感できる。

  25 土産物店                    26 無残な時計
   

 ここで、何気なく腕時計を見ると、方位を示す文字盤の一部がなくなっていることに気がついた。メカニックで無骨な外観がのっぺりしたものになってしまった。いや、それよりも防水は大丈夫だろうか。実は、以前から時々前触れなしに外れることがあったので、ついに...という感じである。2011年10月の購入なのでちょうど2年の命であった。アウトドア用にしては、少し耐久性に難ありだと思う。
 CASIOの担当者がこれをみて、新型のプロトレックを送ってくれると、文字盤脱落の部分は削除してもいいな、なんならモニターになってこのサイトでレビューしてもいいか、なーんて書いたらやはり恐喝、強請りにあたるのだろうか。まあ、贅沢は言わない。時計の色は何でもいいし、何だったら旧型の在庫余りでもいい。これなら、犯罪にはならないだろう。単なる希望である。



 そんな妄想をしながら歩いていたら、罰が当たったのか、写真27のように歩道がなくなってしまったが、何とか路肩を歩ける。そして、写真28のとおり東伊豆町から河津町に入った。

  27 路肩を歩く                   28 東伊豆町・河津町境界
   

 29 展望台から見る相模湾


 すぐに展望台と駐車場があり相模湾が青空の下できらめいている。その先は道路が広くなり歩道も完備して、よい気分で歩く。回転寿司やファミレスもあって明るい雰囲気である。

  30 展望台                     31 広い歩道
   

  32 回転寿司とガスト
     



 33 田尻海岸を見下ろす

 左下に、開けた土地が見えた。田尻海岸である。写真34を左折すると、有名なキャラクターが、迎えてくれた。楽しいが、果たして著作権はクリアしているのか、心配になってしまう。

  34 田尻海岸への分岐                35 今井浜観光協会のイラスト案内板
   

  36 田尻海岸バス停                 37 田尻海岸へ
   

  38 アロエ
     

 田尻海岸にでた。海沿いに道があって、アロエがたくさん植えられている。

 39 田尻海岸



 ここから今井浜地区に入るようだ。

  40 今井浜のモニュメント              41 今井浜海岸へ
   

 さらに進むとべロバ海岸の標識があった。数人の少年が潜って遊んでいる。ベラがたくさんいることからベラ場、なまってベロバになったとのこと。

  42 ベロバ海岸                   43 磯遊びをする少年達
   

 そして、ついに美しい今井浜が見えてきた。真ん中にある赤い屋根のホテルが今井浜東急リゾートである。

 44  今井浜海岸遠望


  45 見高橋                     46 今井浜海岸の集落
   

  47 下河津漁港 その1               48 下河津漁港 その2
   

 この漁港の名称は、今井浜漁港ではなく、下河津漁港であった。

  49 廃業した町営温泉
     

 今井浜の市街地に入り、漁港と温泉の廃墟を過ぎると、今井浜のビーチが広がっていた。

 50 今井浜海岸 その1


 51 今井浜海岸 その2



  52 今井浜海岸駅                  53 今井浜東急リゾート その1
   

 今井浜東急リゾートは、昔家族で泊まったことがあるが、なかなか良いホテルだったような記憶がある。とくに、ホテルのすぐ前がプライベートビーチのようで、贅沢な気分になった。

  54 今井浜東急リゾート その2           55 今井浜東急リゾート その3
   

 56 今井浜海岸 を見下ろす


 さらに国道を高度を上げていくと、今井浜を見下ろす景色の良い場所になる。



 その先は写真57の河津トンネルである。が、その海側に遊歩道があることは地図で調査済みである。

  57 河津トンネル                  58 海岸側歩道入口
   

 その入り口が写真58だ。ここには、写真59のように今井浜から上がって来ることができる歩道があった。ビーチを歩けばよかったと後悔するが、時すでに遅しである。これは事前調査不足だ。

  59 今井浜海岸に続く道
     

 60 歩道から見下ろす今井浜海岸


 写真61のように岬を回りこむと、再び国道に出てもう河津の海岸と街である。今井浜と河津は近い。

  61 海岸側歩道                   62 河津駅方面交差点
   

 63 河津海岸




 写真64は久々の大きな川と天城山に連なる伊豆の山々である。

 64 河津川河口から上流を望む


 河津川を越えると、道は天城越えの道と分かれて、再び海岸沿いを南に向かう。
 セブンイレブンの先で、写真66の珍しい光景に出会った。別におばちゃんの後姿が魅力的だったから写真を撮ったわけではなく、その左の大きな鍋が被写体である。いったい何を作っているのだろうか。そして、どうしてこれほど大きな鍋が必要なのだろうか。食べ盛りの孫が20人位いるのならわかるが、ナゾである。民宿をやっているようにも見えない。しかも、熱源はいまどき薪である。明治時代のような炊事風景は貴重なショットである。

  65 下田方面へ                   66 大きな鍋
   

 67 河津海岸と今井浜海岸を振り返る




 河津の街を後にして国道を進むと、下田14kmの看板があった。3時間も歩けば着く距離である。思えば南に来たもんだ。

  68 下田14km標識                 69 国道を右折
   

 その先の写真69の地点、工事中のところで、右折して山道に入る。ここから白浜までの国道は、急カーブ、トンネルと断崖が多く、万が一、歩道がなかった場合のリスクは大きい。よって、山道を選択する。

  70 廃屋                      71 生活感あふれる民宿
   

 山道に入ると、廃屋や妙に生活観のある民宿を過ぎる。やがて人家が無くなり、だんだんと山奥に入っていく。



  72 震災鎮魂さくら
     

 73 山間からみる相模湾


 峠は写真74のように採石場跡であった。

  74 採石場跡                    75 縄地集落
   

 下っていくと、写真75の小さな集落である。道端に腰掛けて少し休む。人里はなれた道から、こういう、隔絶された集落に着くとほっとするのは、やはり、人里が恋しいということだろうか。



  76 縄地集落内                   77 地福院
   

 お寺を過ぎて、いくつかの道を分岐しながらも下田への山道は続いている。

  78 縄地集落を左へ                 79 集落はずれの分岐
   

  80 落合方面分岐
     

 このあたりで、地元のおばさんから声をかけられた。「白浜まで行くのか」と聞かれ、肯定する。「一本道ですよね」と聞くと「そのままいけば自然に白浜に着くから」ということなので、もう迷う心配はなさそうである。

 81 白浜へ その1


 写真82の切通しが、峠道である。標識はないが、ここから下田市である。その峠を振り返ると、写真83のとおり、鞍部である地形が良くわかる。

  82 峠道                      83 峠を振り返る
   



  84 白浜へ その2                 85 白浜へ その3
   

 そして、ついに道の向こうに青い海が見えた。

  86 国道へ合流                   87 静岡県水産技術研究所伊豆分場
   

 88 板戸海岸




  89 高い透明度                   90 白浜漁港
   

 漁港を過ぎるとついに白く輝く美しい白浜海岸が姿を現した。

 91 白浜海岸 その1



  92 白浜海岸のヘリポート
     

 ヘリポートがあった。プリンスホテルの近くには、たいていヘリポートがある。堤義明はヘリでプリンスホテルを廻っていたのはよく知られた話である。

 93 白浜海岸 その2


 それにしても、美しく雄大な海岸である。伊豆唯一の規模と言っても良いだろう。国土が目をつけたのも当然である。

 94 白浜海岸 その3



 プリンスホテルに着いた。デカイ。しかし、リゾートホテルというよりも、製薬会社の研究所みたいな冷たい感じの外観である。

 95 下田プリンスホテル全景


 ホテルから海岸に出られるだろうと思ったが無理なようだ。エントランスにはホテルマンが立っていて、汚い格好の中年男は不審に思われてもいけないので、踵を返す。

  96 下田プリンスホテルエントランス         97 海岸の鳥居
   

 15時7分、プリンスホテル前のバス停についた。まだ時間があるので、海岸への道を探索してみよう。赤い鳥居があって道がありそうなので行ってみる。

  98 プリンスホテル前の白浜海岸へ
     

 山道を越えると、海岸に着いた。



 99 プリンスホテル前の白浜海岸 その1


 山道を越えないと来られないので、事実上プリンスホテルのプライベートビーチである。傾きかけた陽が海岸の半分を照らしていた。

 100 プリンスホテル前の白浜海岸 その2


 バス停に戻って、下田駅行きのバスに乗る。

  101 プリンスホテル前バス停            102 下田駅前
   

 伊豆急下田駅前はトロピカルムードあふれる、いかにもリゾートらしい華やいだところであった。

  103 伊豆急下田駅                 104 駅構内
   

 GPSによる本日の歩行経路(時間:5h36m 距離:29.2km 累積標高:+941m -969m)


 今日は
稲取から今井浜、河津、白浜と東伊豆の代表的な海岸風景を堪能し、山中の小さな集落を辿った実り多い行程だった。どの風景も、旅の心に深く染み入る美しい残像として、目に焼き付いている。次回はいよいよ下田市の海岸を本格的に歩くことになりそうである。


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