早 川 探 訪
 箱根の芦ノ湖付近から仙石原に流れ出し、渓谷となって、宮ノ下や箱根湯本などの箱根を代表する温泉街を形成しながら、小田原市早川で相模湾に注ぐ。観光地として訪れる人は多いが、川そのものの素顔を知る人は意外に少ない。
◆第1日目 2010年5月22日 河口(小田原市)〜 大平台駅(箱根町)

 箱根は巨大な三重式火山だ。これまで、外輪山の外側から流れ出ている狩川新崎川藤木川を見てきたが、箱根火山の内側から流れ出る川はひとつしかない。それが全長20.7kmの早川である。

 箱根外輪山は、その名前とは異なり、輪が東側で欠けている。外輪山が完全に一周しているのなら、水が溜まって、芦ノ湖は大きなドーナツ型になって満々と水をたたえているはずであるが、実際は外輪山に切り欠きがあり、その部分から早川と須雲川が流れ出ているのだ。おかげで、芦ノ湖以外のカルデラ内に水が貯まることはないのである。
 その早川をどこまでも遡ってみようというのが、今回の企画だ。

  1 早川駅                      2 小田原(早川)漁港
   

     



 早川駅を降りて海へ向かうと漁港だ。駅名も地名も早川なのでわかりやすい。もちろん川の名前と一致しているのは偶然ではないだろう。お客さんで賑わう漁港横のさかなセンターを通り過ぎて早川左岸から河口に出る。

  3 さかなセンター                  4 河口
   

 たいていの川はそうだが、河口はあっけないほど簡単に海に流れ込んでいる。

  5 河口から箱根方面を望む              6 河口から上流を望む
   

 海岸には大きめの石が並んでいる。

  7 河口から国府津方面を望む             8 早川橋から下流を望む  
   

 河口を後にして、早川を遡ることにしよう。

  9 早川橋から上流を望む             10 小田原水産合同庁舎
   



 右岸をしばらく歩く。河川敷には花園や畑がひろがり、道祖神があったりしてのんびりした風景だ。

  11 国道135号線と東海道本線鉄橋         12 道祖神
   

  13 東海道新幹線                  14 大窪橋
   

  15 大窪橋から下流を望む              16 箱根新道
   

  17 小田原厚木道路                 18 風祭橋から下流を望む
   

 小田原厚木道路を過ぎると風祭橋だ。

  19 風祭橋から上流を望む              20 えれんなごっそ
   

 ここは、小田原名物のかまぼこ屋さんで有名なところで、休日は観光バスで賑わうところだ。箱根駅伝の中継所としても有名である。

  21 鈴廣                      22 千世倭楼
   



  23 箱根口インター付近               24 太閤橋から下流を望む
   

 太閤橋という名前の橋があった。豊臣秀吉が小田原北条氏攻めの時に作ったという、一夜城に続く橋らしい。

  25 太閤橋から上流を望む              26 太閤橋
   

  27 地球博物館前の土木工事             28 生命の星地球博物館
   

 県立博物館の大きな建物は、川と断絶しているが、なにか工事をしているようだ。博物館に来た子どもたちが、自然のままの早川と触れ合えるようになると良いのではないか。

  29 温泉地学研究所                 30 博物館トンネル付近
   



 なんとも頼りなさそうなつり橋があらわれた。前田橋である。

  31 前田橋                     32 前田橋上
   

  33 前田橋から下流を望む              34 前田橋から上流を望む
   

 この前田橋は、古くから有名な橋らしい。この橋を渡って右岸に渡る。位置的には、下流から中流といったところだが、すでに川の勾配はきつく、急流と言ってもよいだろう。

  35 前田橋跡解説板                 36 前田橋
   

  37 箱根新道下                   38 36の橋下から上流を望む
   

  39 箱根料金所付近                 40 三枚橋の手前から下流を望む
   

 三枚橋が見えてきた。箱根湯本である。

  41 三枚橋                     42 三枚橋から下流を望む
   

 小田急線の電車が湯本駅に吸い込まれていく。それにしても、青かったはずの小田急線の電車の色はいつから赤に変わったのか。
 三枚橋から河川敷に降りる。湯本駅周辺は、綺麗に整備されている。

  43 三枚橋から上流を望む              44 箱根湯本駅に入る小田急線電車
   



  45 湯本大橋                    46 あじさい橋
   

 早川の左岸側は箱根湯本駅、橋を渡った対岸は湯本富士屋ホテルである。

  47 あじさい橋の由来解説板             48 あじさい橋から下流を望む
   

 49 箱根旧街道案内図


  50 あじさい橋から上流を望む            51 箱根湯本駅前
   

  52 箱根富士屋ホテル                53 湯本駅付近から上流を望む
   

  54 あじさい橋を振り返る              55 富士屋ホテル前
   



  56 須雲川合流地点                 57 河鹿荘前
   

 湯本橋は湯本温泉郷の入り口である。橋の袂の有名な蕎麦屋には人が列をなしていた。

  58 湯本橋                     59 湯本橋上   
   

  60 湯本橋から下流を望む              61 湯本温泉街
   

  62 知客茶屋                    63 湯本橋から上流を望む
   

 箱根湯本は早くから開けた温泉地であるが、その中心がこのあたりである。歴史ある温泉情緒が残っている。

  64 旭日橋跡解説板                 65 旭日橋跡
   

  66 旭橋                      67 旭橋から下流を望む
   



 湯本温泉発祥の地についた。いまは誰も目に止めないただの岩の割れ目である。

  68 湯本横穴式源泉跡                69 源泉跡解説板
   

  70 源泉跡                     71 旭橋から上流を望む
   

  72 東電山崎ダム その1              73 東電山崎ダム その2
   

  74 東電山崎ダム その3              75 会館橋から下流を望む
   

 76 函嶺洞門と早川

 函嶺洞門に着いた。昭和6年に完成したこの洞門は、まだバリバリの現役である。が、写真78のように、さすがに老朽化し、かなり危険な状態に見える。そのため、迂回のバイパス工事が計画されているようだ。
 早川は、緑に包まれた渓流となって箱根の入り口を彩っている。ただし、水質は、澄んでいるとはいえない。旅館の温泉や雑排水が流れ込んでいる事も理由の一つだろう。

  77 函嶺洞門入り口                 78 函嶺洞門の変形
   



  79 千歳橋                     80 千歳橋から下流を望む
   

 千歳橋を渡ると塔ノ沢温泉である。

  81 千歳橋から上流を望む              82 塔ノ沢入り口
   

 歴史ある老舗旅館が続く。

  83 福住楼                     84 塔ノ沢温泉街
   

  85 玉の緒橋から下流を望む             86 玉の緒橋から上流を望む
   

 環翆楼には、早川に沿って専用の歩道があるようだが、もちろん一般人は入れない。

  87 環翆楼 その1                 88 環翆楼専用遊歩道
   

  89 環翆楼 その2                 90 鶴翁橋
   

 近代的な吊り橋が架かっている。対岸にある露天風呂に行くための専用の橋らしい。

  91 鶴翁橋から下流を望む              92 鶴翁橋から上流を望む
   



  93 左岸側から流れ込む水路             94 塔之沢発電所への橋上
   

 早川はだんだん深い谷を流れるようになる。まさに箱根外輪山が浸食により切り開かれて、一筋の流れが広い外界にでようとしているその場所である。
 発電所があったり、放水路があったり、早川も目立たないところでいろいろと活用されているようだ。

  95 92の橋から下流を望む             96 92の橋から上流を望む
   

 対岸の旅館に行く孝三九橋があったが、残念ながら封鎖されていた。この後、早川の谷はますます深くなり、その姿を見ることができなくなった。

  97 国道1号線                   98 孝三九橋
   

  99 箱根登山鉄道ガード                100 蛙の滝
   

 早川に流れ込む滝があった。

  101 蛙の滝解説板                  102 大平台へ続く道
   



 バスが行き交う交通量の多い国道1号線を離れて左折し、大平台駅を目指す。

  103 箱根登山鉄道の鉄橋とトンネル         104 山神社
   

  105 大平台駅                   106 大平台駅のスイッチバック
   

 大平台駅は写真106のとおり、行き止まり、つまりスイッチバックの駅である。おなじみの赤い登山電車に乗って帰路に着いた。

 107 大平台駅の登山鉄道電車
 

 湯本から上流は、国道一号線沿いに流れる早川であるが、谷が深く川沿いを歩くことは難しい。次回は、箱根の山中により深く入り込んでいく早川をたどる。

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