海岸線をどこまでも 本州一周(になるかもしれない旅) 千葉県房総半島南部を踏破中 
◆第12+14日目(2008年11月14日)  安房白浜 〜 千歳駅


 今日は、5時起きだ。なるべく早い時間に白浜まで行かなくてはならない。久里浜駅や浜金谷駅で走り、館山駅9時発の白浜行きJRバスに乗り込む。このバスの内装は、ブルーのイスが古ぼけていてなかなか良い味を出している。南房総をのんびり走るバスはこうでなくてはいけない。今日の運転手さんは、若いが、とても好感の持てるアナウンスをしている。前回は年輩の運転手さんだったが、JRバスは良い人が多いのか。
 天気は曇りである。
 40分後に、白浜のバスターミナルに着く。ここもまるで昭和にタイムスリップしたような建物で、なかなか良い。のんびり感が伝わってくる。

 1 館山駅JRバス乗り場             2 安房白浜バスターミナル 
   



 磯笛公園は、綺麗に整備されている。

 3 安房音頭の碑のある公園             4 磯笛公園 その1
   

 こんな公園で小さな子供を遊ばせたら楽しそうだ。

 5 磯笛公園 その2                6 磯笛公園 その3
   

 ライスリゾートとは何いうネーミングだろう。米のことか。JAがやっているのだろうか。

 7 ライスリゾート                  8 東へ向かう道
   

 9 若い海女の像                 10 小戸海岸 その1
   

 ここにも「若い海女」の像がある。前回も見たが、本当に「若い」のが好きな彫刻家だ。



 地層のくっきりとした岩と、椰子の木が続く海岸線はなかなか景色がよい。
 漁港では立ち***をしているおじさんがいたが、今度は、道端で、堂々と立ち***をしているおじいさんがいた。30年前ならともかく、最近はあまり見ない光景だ。このあたりでは、気軽に道端で腰を下ろすのはやめよう。

 11 小戸海岸 その2              12 立ち***をするおじいさん
   

 13 ススキと海岸                14 孤高の岩
   

 15 海に向かって立つ神社            16 名倉海岸 その1
   

 名倉海岸に出た。弧を描く砂浜の所々に岩が顔を出す、美しい海岸だ。
 その海岸沿いの道端に写真17のとおり、なにやら人が集まっている。年輩の人ばかりだが、服装を見ると結婚式のようだ。しかし、なぜ海岸に集まっているのか不思議に思いながら通り過ぎる。しばらく歩くと大型観光バスとすれ違ったが、そのバスの案内板を見たとたんに謎が解けた。バスは結婚式用の貸し切りだったのである。
 都会の結婚式の場合、お酒を飲むため普通は電車で式場に向かうことが多いが、ここでは、公共交通機関が未発達なため、観光バスを仕立てるらしい。西の方へいったので館山市内での式だろうか。まさか、アクシオンではないだろうが。そういえば、どこか晴れやかな顔をしていた。

 17 結婚式に出席する?人たち          18 名倉海岸 その2
   

 19 名倉海岸 その3              20 海岸道路とパームツリー
   



 塩浦海岸に着く。青空が少し顔を見せて、綺麗に整備された公園が明るく輝く。2つの大きな建物も見えて静かなリゾートといった雰囲気だ。

 21 塩浦海岸入り口               22 塩浦海岸その1
   

 23 塩浦海岸 その2              24 塩浦海岸 その3
   

 25 塩浦海岸 その4              26 海岸から戻るおばあさん
   

 海岸に打ち上げられた海藻を拾っているおばあさんがいたので、突撃インタビューを試みる。拾った海藻をどうやって食べるのか、興味があったのである。答えはなんと、畑の肥料にするということであった。最近は化学肥料ばかりだが、これを肥にすると良いのだそうである。「有機肥料ですね。」と言ったが、理解されなかったようだ。
 写真を撮らせてほしいと言ったら、照れて「いやだ。」と言うので、籠の中身だけ撮らせてもらった。お礼を言うと、おばあさんは笑いながら、道を渡って集落の中に消えていった。久しぶりにナンパされたと勘違いしていなければよいのだが.....

 27 背中の籠の中身               28 塩浦海岸 その5 
   



 29 リゾートマンション             30 乙浜漁港
   

 乙浜漁港に出る。すっかり天気が良くなり、気持ちがよい。

 31 乙浜漁港と灯台               32 乙浜の風景
   

 漁港の背後には集落があり、低い山を背負っているが、その山が写真32のとおり大変美しい。杉の植林が無く、暖帯の植生のように見えるせいだろう。神奈川県の山が、杉林ばかりになっているのに比べると、うらやましい限りである。

 33 灯台と空

 海沿いに真っ直ぐ延びる道沿いには、細かいタイル張りの灯台があって、思わず見上げてシャッターを押した。この美しい海と空、開放的な家並に、住んでも良いかな...とふと思った。

 34 真っ直ぐな道                35 乙浜海岸
   

 36 スペイン風の家              37 白間津地区へ
   

 もうこの海は、太平洋なので、色は濃く、波の音も力強い。誰かに波の音を聞いてほしくて、動画を撮った。ところで、You Tubeは、いつから高画質を選べるようになったのだろう。

 38 小さな灯台                 39 海辺のペンション その1
   

 40 海辺のペンション その2          41 草原と海
   



 このあたりは、冬でも霜が降りないので、花の産地でもあるのはあまりにも有名だ。

 42 海岸沿いの緑色の家             43 フラワーファーム
   

 遠くにアーチを描く千倉大橋が見えてきた。

 44 南房千倉大橋遠景              45 白間津海岸
   

 46 南房千倉大橋上               47 橋から見た太平洋
   

 橋の上で休憩していると、船がやってきたので、動画を撮ってみた。

 48 橋から漁港と集落を望む           49 千倉大橋公園
   

 橋の上ですれ違った人に挨拶をされる。実は、今日はすでに行き交う何人かの地元の人から「こんにちは」と言われたので、びっくりしていたのである。カメラを持って明らかによそ者とわかる格好をしているのに、まるで知り合いのようにフレンドリーなのだ。このあたりは気候も暖かいが、住む人たちの心も温かいらしい。地元の人たちの優しさに触れることができてよかった。

 50 椰子に囲まれたホテル           51 不思議な岩
   



 道の駅、潮風王国に到着した。広い敷地には、かなり大きな漁船が展示してあってなかなか楽しい。

 52 潮風大国 その1              53 潮風大国 その2
    

 54 潮風大国 その3              55 潮風大国その4
   

 外から見えた特徴的なドームの2階は、無料の休憩室になっていて、海がよく見えた。が、だれもいないのでちょっと寂しい。

 56 潮風大国 その5              57 潮風大国 その6
   

 58 千田漁港                  59 灯台
   

 岩場と小さな漁港が交互に続く。

 60 平磯漁港                  61 水産総合研究センター
   

 62 川口付近の海岸 その1           63 路傍の祠
   

 64 なぜか人気のカフェ             65 水のない海辺のプール
   

 空と海はどこまでも青い。

 66 川口付近の海岸 その2           67 川口付近の海岸 その3
   



 68 瀟洒な家                  69 惣戸漁港
   

 70 惣戸海岸 その1              71 惣戸海岸 その2
   

 72 海辺の住宅 その1             73 海辺の住宅 その2
   

 74 放置された漁船               75 千倉漁港 その1
   

 千倉漁港についた。結構大きな港だが、なぜか懐かしい光景である。特に、微妙に波打っている屋根が何とも言えない。潮風にさらされているが、何とかがんばっている木の柱と屋根が、何かを訴えてくるのである。年老いた漁師さんの顔のしわにどこか似ているような気がした。

 76 千倉漁港 その2              77 千倉漁港 その3
   

 78 千倉漁港 その4              79 漁港の廃屋
   



 漁協の水色の建物も非常に印象に残った。

 80 旧千倉漁協建物               81 南千倉海岸 その1
   

 82 南千倉海岸 その2             83 清国船遭難救助の碑           
   

 千倉の海岸に到着した。言葉で説明するよりも、写真の方がまだよいが、それでも現実の景色は当然のことながらもっとすばらしい。それに、潮の香りや波の音がネットでは表現できない。

 84 海辺のマンション             85 サーフショップ
   

 86 海辺に向かう小径              87 千倉海岸 その1
   

 88 千倉海岸 その2

 非常に広々とした、どこまでも続く美しい砂浜である。海岸に建つ丸い塔は、何だろう。後で調べたら、KDDI千倉海底線中継所であった。要するに、日本と外国を結ぶ光ケーブルの上陸地点らしい。これはある意味でものすごく重要な施設である。このサイトを外国の人が見られるのも、このような施設のおかげである。いや、そんなものはどうでも良いが、政府や企業の重要情報から、アメリカに住む孫の写真まで、とにかくものすごい量の情報が、ここを通じて国際間を飛び交っているのである。しかも、そのスピードは光速である。今、iTunesのインターネットラジオを聞きながらこれを書いているが、その音楽データも128bpsでアメリカのサーバからここを通って来ているのだろうか。とても不思議な気がする。
 しかし、そんなこととは関係なく、午後の海岸を、お年寄りのご夫婦がのんびりと散歩していた。

 89 千倉海岸 その3              90 海岸散歩
   

 91 千倉海岸 その4              92 瀬戸浜
   

 瀬戸浜は、浸食が激しいらしく、すでに浜ではなくコンクリート護岸しかない。今日も波が高く、堤防を越える勢いだ。



 これは道路にも来るのではと思ったら、ちゃんと標識があった。波しぶきと強風のため、椰子の木も傾いて、今にも倒れそうだ。写真94のとおり、何とかワイヤーで支えてもらっている。

 93 波しぶき注意の標識             94 倒れそうな椰子
   

 95 海辺の田圃                 96 海辺の公園
   

 瀬戸川を渡って、海沿いの道を入っていくと、海岸はさらに寂しくなる。誰も遊んでいない公園が寂寥感を感じさせる。漁港の廃屋では、夕日を浴びて野良猫が寝そべっていた。時間が止まっているような感じだ。

 97 白子漁港                  98 漁港の倉庫廃屋でくつろぐ猫
   

 秋の日暮れは早い。千歳駅へ向かおうと小径を歩くと、写真99のような茶色の軽トラックがあった。これはサーフボードを運ぶのにちょうどいい。荷台を木枠にしているところにセンスを感じる。
 先ほどおばあさんに駅までの道を聞いたときに教えてくれた、お地蔵様のある交差点を左折して駅へ向かう。

 99 波乗り用改造軽トラ            100 白子地区のお地蔵様
   

 千歳駅へ着く。驚くほどシンプルな駅だが、ガラス張りで新鮮な感じがする。駅の向こうは田圃だ。やがて夕日を浴びたローカル列車が駅に入ってきた。

 101 千歳駅                 102 千歳駅ホームから
   

 103 内房線上り列車             104 千倉駅の足湯
   

 今日は、千倉のペンションを予約してあるので、一駅戻ることにする。千倉駅に着くと、足湯があったので、早速利用してみる。実は今日は新しい靴を履いたので、足が痛くて仕方がないのだ。固い新品のトレッキングシューズにしたのは失敗だった。明日は、どれくらい歩けるか心配になる。



 足湯を切り上げて、足を引き吊りながら宿に向かう。
 振り返ると、千倉駅の建物は、夕焼けに照らされて、照明に浮かんだ駅名とよく調和していた。

 105 千倉駅夕景 

 今日は、房総半島最南端の東側の部分を歩いた。思ったより、リゾートっぽくない、飾らない漁村や自然が魅力的なところだ。美しい海岸はもちろんだが、住んでいる人も素朴で親切な感じがして、そんな人々の暮らしを少しだけ垣間見ることができたのも収穫であった。
 千倉の海岸は、広々した雄大な眺めがすばらしい。空の色が目に焼き付いてはなれない。
 家に帰らなくても良いことを感謝して、ペンションのツインルームを一人で使わせてもらい、熟睡した。 

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