海岸線をどこまでも 本州一周 (になるかもしれない旅)  大洗から北茨城の海岸を北上する
 ◆第12+31日目(2012年3月20日) 大洗駅阿字ヶ浦


 2012年3月に再開した海岸線の旅も、前回、ついに大洗まで来た。ちょうど鹿島灘を縦断したことになる。下の地図を見ると、茨城県のちょうど南半分で、鹿島灘の長大さがよくわかる。地図で実測すると80kmくらいあるようだ。これは九十九里浜よりも長い。
 前にも書いたかもしれないが、鹿島灘という名称は通常、海域を指し、砂浜には九十九里浜のような明確な名前はない。
 とにかく、今日からはいよいよ茨城県の北半分、後半戦である。

     


 今日も4時半に起きる。眠い。いつものとおり、東海道線、山手線を乗継ぎ、上野発7時ちょうどの特急スーパーひたちに乗る。朝早いのは大変だが、この列車のおかげで水戸方面への時間がかなり短縮できるのでありがたい。行動時間に余裕が出る。
 そして、水戸駅で鹿島臨海鉄道に乗り換え、今日の出発地である大洗駅に降り立った。

  1 水戸駅                      2 大洗駅
   



  3 大洗港                      4 フェリーターミナル
   

 大洗港といえば、北海道へ渡るフェリーの発着場として有名である。現在、東京湾から出る船はなく、首都圏から北海道へ渡るためには、ここから乗船しなくてはならない。
 ガラス張りの高い塔が見える。大洗マリンタワーである。そういえば、千葉県から茨城県にかけて似たようなコンセプトの塔がいくつか建っていたことを思い出す。下の写真の、千葉ポートタワー、銚子ポートタワー、鹿島港公園展望台、はまなす公園展望台である。

 

  5 アウトレットと大洗マリンタワー          6 大洗マリンタワー
   

 入場料330円を払って、展望台に登ってみよう。

  7 マリンタワー展望台                8 展望台から大洗港を望む
   

 9 展望台から南方向の鹿島灘を望む


  10 展望台から西方向を望む             11 展望台から東方向を望む
   

 展望台から見える景色でわかるように、茨城県は意外と平坦な地形であることがわかる。

  12 展望台から北西方向を望む            13 海上保安庁巡視船
   

 大洗港を東にすすむ。



 となりは漁港である。

  14 大洗漁港魚市場                 15 大洗漁港
   

 写真16や17で津波の被害が想像できる。

  16 壊れた雨樋                   17 魚市場内の新しい建物
   

 漁港を過ぎると自然海岸になり、なんとなく明るい、観光地特有の華やかな雰囲気になってきた。

  18 大洗岬付近                   19 大洗灯台遠景
   

 海岸沿いに立つ白いホテルが見えた。リゾートである。

  20 大洗ホテル その1               21大洗ホテル その2
   

 ホテル前面の岩礁には、小さな灯台が建っている。現在は灯台としての機能はないらしいが、風景のアクセントとしてはなかなかいい。

 22 大洗灯台




 海岸に立つ建物も、明るく華やかで、地震や津波の被害を感じさせない。

  23 海岸の建物                   24 神磯鳥居
   

 海側と山側に鳥居が建っていた。初日の出の写真を撮るのによさそうである。

  25 大洗磯前神社                  26 大洗公園
   

 神社を過ぎると、公園になっている美しい大洗海岸である。

  27 大洗公園から南の大洗港方面を望む         28 大洗海岸 その1
   

 29 大洗公園案内板




  30 大洗海岸 その2                31 大洗海岸 その3
   

 ロケ地にも使えそうな海岸だ。

  32 大洗海岸 その4                33 大洗海岸の砂丘
   

 34 大洗海岸 その5




  35 津波の爪痕                   36 大洗海岸 その6
   

 よく見ると、階段が無くなったりして津波の爪痕が残っている。

  37 大洗海岸 その7                38 大洗海岸 その8
   

 テトラポッド帯を抜けると、アクアワールド・大洗水族館である。このあたりの観光の目玉といってよいだろう。その先は、那珂川である。アクアワールドは那珂川の右岸河口に建っていることになる。

  39 アクアワールド前                40 那珂川河口
   



 河口から見える赤い美しい橋が海門橋だ。

 41 那珂川河口から海門橋を望む


  42 大洗アクアワールド               43 那珂川左岸から海門橋を望む
   

 海門橋を渡る。橋のアーチの赤が鮮やかである。この橋には歩道があって助かった。

  44 海門橋上                    45 海門橋から河口を望む
   



 海門橋を渡るとひたちなか市になる。那珂川が大洗町とひたちなか市との境界である。

  46 海門橋北側                   47 しらす販売店
   

  48 那珂川左岸から海門橋を望む           49 那珂川左岸から河口を望む
   

 左岸を河口に向かうと、那珂湊漁港である。

  50 那珂湊漁港 その1               51 那珂湊漁港 その2
   



 写真52のように、一部では津波の爪痕がまだ生々しく残っている。その壊れた防波堤を渡っていると左手に回転寿司らしき建物が見えた。時間はまだ11時過ぎであるが、せっかく那珂湊まで来たので、食べていくことにした。

  52 津波の被害                   53 市場寿し
   

 中に入って驚いた。満員である。一人なのですぐ案内されたが、家族連れだと待つようだろう。地元の人もたくさん来ているようだ。これは期待できる。
 目の前を流れているネタをみると、「でかい! 」。
 思わず取って最初に食べた写真55のマグロ、これが120円である。「安い!」。
 食べてみると、「うまい!」。ネタの大きさも相まって赤身のマグロがこれでもかというくらい口の中いっぱいに広がり、マグロ本来の味を十分堪能できる。やはり、いつも食べている「スシロー」とは格が違う。
 他の皿は240円のものが多かったが、そのネタの豊富さには驚いた。普段見たこともない名前の魚も多い。地魚だけでなく、全国各地の港から仕入れているようだ。
 昼前なのに満員になるのもよくわかる「でかい、安い、うまい」の3拍子揃った回転寿司であった。1700円ほど食べたが、満腹である。

  54 市場寿し内部                  55 マグロ
   

 いっぱいになったお腹を抱えて、再び歩き出すと大きな漁船のモニュメントが目に入った。

  56 那珂湊漁港 その3               57 海洋高校
   



 海沿いの道は、津波の被害なのか工事中になっていたので、高台の道を行く。写真59のように下に降りる道があり、通行止めも終わっていたので降りてみる。

  58 錆びた倉庫                   59 高台から降りる道
   

  60 海岸道路脇の碑群               61 碑解説板
  

 右手にいけすのような四角い池のようなものがあった。よく見るとプールのようだ。後で調べてみると、ここは珍しい天然海水プールであった。それにしても、水の取り入れ方が豪快である。いつも新鮮な海水が豊富に入ってくるので、水質管理は必要なさそうである。

  62 姥の懐マリンプール その1           63 姥の懐マリンプール その2
   

  64 殿山町付近 その1               65 殿山町付近 その2
   



  66 平磯海水浴場                  67 平磯海岸 その1
   



 平磯海岸を行く。ここは砂や岩がちょっと赤っぽいようだ。

  68 平磯海岸 その2                69 平磯海岸 その3
   

  70 平磯海岸 その4                71 平磯海岸 その5
   

 72 平磯海岸ジオサイト解説板


 73 大洗県立自然公園解説板


 犬吠埼以来の白亜紀の地層である。

  74 平磯海岸 その6                75 平磯太陽観測センター入口
   



  76 平磯海岸 その7                77 海岸の切通し
   



 切通しを過ぎると白亜の灯台が現れた。灯台があると寄らずにはいられない自分がいる。

  78 カーブを描く海岸道路              79 磯崎灯台 その1
   

 80 磯崎海岸 その1

 灯台が立つ丘の上に登る。

 81 磯崎灯台 その2                 82 灯台から海への道
   

  83 磯崎海岸 その2                84 立派なトイレの原資
   

 立派なトイレは、原発のおかげであろうか。

 85 磯崎海岸案内図
   

  86 磯崎漁業協同組合                87 磯崎漁港
   



 磯崎漁港を過ぎると、小さな水路があり、蛙の声がうるさい。かなり大きな蛙であるが、この寒さで生息しているのはなぜだろうか。

  88 大きなカエル                  89 阿字ヶ浦 その1
   

 そして、そのカエルの水路の先には、白く広い砂浜が広がっていた。阿字ヶ浦である。さすがに評判通りの素晴らしい海岸である。

  90 阿字ヶ浦 その2                91 阿字ヶ浦 その3
   

 92 阿字ヶ浦 その4


 この美しい海岸も夏は海水浴場になり賑わうらしく、旅館や土産物屋も多い。

  93 阿字ヶ浦 その5                94 阿字ヶ浦に流れこむ小川
   

 阿字ヶ浦に流れこむ小川の水は澄んでいた。



 阿字ヶ浦の北端近くまで歩いてから、回りこんで阿字ヶ浦駅に着いた。14時17分である。駅舎は昭和の時が止まったままの風情で、海沿いの無人の終着駅の哀愁を漂わせる、雰囲気のある駅である。            

  95 阿字ヶ浦駅遠景                 96 阿字ヶ浦駅舎
   

  97 阿字ヶ浦駅前観光案内板
  

          98 ひたちなか海浜鉄道解説板
   

  99 阿字ヶ浦駅臨時改札跡              100 阿字ヶ浦駅内部
   

 かつては、上野からの臨時急行あじがうら号がここまで乗り入れていた時代もあるらしい。その名残の長いホームが残っている。

 101 阿字ヶ浦駅線路末端

 列車が到着し、降りてきた客は、すべてカメラをぶら下げてキョロキョロ、ニヤニヤする鉄オタ、いや、鉄道愛好者であった。ローカル線の海辺の終着駅とくれば、マニアでなくても行ってみたくなるだろう。20分ほどして、列車は勝田方面に折り返した。

  102 ディーゼルカー                103 列車内部
   

 GPSによる本日の歩行経路 (時間:5h50m 距離:24.8km)


 今日は大洗から阿字ヶ浦まで、リゾート気分あふれる美しい海岸を気分よく歩けた。距離は伸びなかったが、交通事情もあり致し方ないだろう。那珂川を挟んで走る2つのローカル線に乗ることが出来たのも楽しかった。そして、なんといっても那珂湊で食べた寿司は旨かった。

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