神奈川県一周
第5日目(2006年4月30日)   引橋三崎口駅)〜毘沙門(三崎口駅)

 

前回は油壺まで来たが、その時に迂回した地域がある。きちんとした道がなかったからであるが、上から見ると見事な緑である。調べてみるとここは小網代の森という有名な場所であった。そこで今回はここを通ってみることにした。写真1は引橋から見た小網代の森である。

  1 引橋から見た小網代の森            2 小網代の森その1
   

   

 小網代の森は引橋の下から小川が流れ出して小網代湾の干潟に注ぐ、完結した自然の水系だと言われている。元々は田んぼと里山であったがこの数十年で管理が放棄されて自然に戻ったものらしい。開発の話とともに自然保護団体が有名にしたものだそうだ。地元としては複雑な気持ちであろうが、生態系として貴重なものであることは確かである。

 3 小網代の森その2                4 小網代の森その3
   

 途中には耕作地の跡らしき平坦な土地もある。

 5 小網代の森その4 田んぼの跡?         6 小網代の森その5
   

 子供が喜びそうな自然のトンネルもある。

 7 小網代の森その6(トトロのトンネル)      8 小網代の森その7
   

 9 小網代の森その8                10 小網代の干潟その1
   

 干潟はかなりの規模で、よくぞ開発されずに残ったものである。家族連れが遊んでいたが、貝かカニを捕っているのだろうか。干潟は小網代湾の最深部になるが、写真12のようにアマモの群落も見られる。

 11 小網代の干潟その2              12 小網代湾その1
   

 干潟を過ぎるともう岸は埋め立てられて漁港になり、やがてシーボニアに着く。

 13 小網代湾その2                14 シーボニア
   



 油壺の先端は前回行ったので、シーボニアから半島を横断して油壺湾の奥へ。当然の事ながらヨットがいっぱいの美しい湾である。

 15 油壺湾 その1                16 油壺湾 その2
   

 油壺湾、諸磯湾の南側にあるのが浜諸磯地区で半島状の地形になっている。わざわざ道路改修記念碑を立てたところを見ると、昔は交通が不便だったのだろう。

  17 諸磯の住宅                 18 浜諸磯道路改修記念碑
   

 19 浜諸磯海岸風景その1             20 浜諸磯海岸風景その2
   

 ごらんのとおりの美しい海岸で、地元の人で結構賑わっていた。写真21のように、岬の先端に灯台があるが、芸術的な造形だと言えなくもない。さて、この灯台を見て、どこかで見た形だと思う方は、相当クラシックハードロックに詳しいはずである。Led ZeppelinPresence というアルバムのジャケットの真ん中にある黒い物体、Obeliskというらしいが、これにそっくりなのである。まあ、この話題はちょっとマニアックすぎたかもしれない。

 21 浜諸磯の灯台                 22 浜諸磯海岸風景その3
   

 23 浜諸磯海岸風景その4             24 浜諸磯の神社
   

  

 やがて、三浦半島の先端部、三崎の市街地に近づいてきた。

 25南国テイストあふれる交差点          26 海外町付近
   

 途中に「連痕」と言う看板があるが、要するに堆積層が綺麗に見えるということらしい。
 やがて、歌舞島公園に着いたが、その景色には驚いた。ずいぶん昔、20年以上前になるがこのあたりに仕事で来た時に、こんな美しい景色が三崎市街地のすぐそばにあることに感銘を覚えた。源頼朝も同じ思いであったらしくそこから歌舞島という名前が付いたらしい。しかし、今は写真28のように埋め立て地が広がっているだけである。落胆して、埋め立て地の開発計画の看板を見ると、素人の私が見ても事業として成り立ちそうにないバブリーで安易な計画が書かれていた。部外者の私がいうことではないかもしれないが、環境面でも経済面でもあの美しい海岸を犠牲にするほどの価値がある事業だとは思えなかった。地元の人に言わせれば、人口が減り、漁業も沈滞気味の三浦市の活性化のために必要だったということなのだろうが、あの美しい景色を犠牲にして、残ったのが莫大な借金と荒涼とした埋立地だけというのは寂しい。

  27 天然記念物「連痕」             28 歌舞島公園前の広大な埋め立て地
   

 漁港のある埋め立て地を抜けると観光施設の「うらり」がある。要するに直売場であるが、こちらは結構来場者が多く、成功しているようだ。写真29の様に、周辺もなかなか美しく整備されている。これから対岸の城ヶ島に廻るのだが、ここから渡し船(ただの漁船ではあるが)が出ていることがわかった。時間を大幅に節約する事ができるし、橋は帰りに通ればよいだろうと早速乗ってみた。

 29 「うらり」横の岸壁              30 「うらり」2階から見た景色
   

    

 31 渡し船から見た三崎港              32 城ヶ島の船着き場
   

 いよいよ城ヶ島へ上陸である。

 33 三崎へ帰っていく渡し船            34 城ヶ島バスターミナル
   

 35 城ヶ島の土産物街               36 城ヶ島西側の海岸
   

 城ヶ島西側の海岸沿いにはホテルが建っている。ホテルから見る夕日や富士山はさぞかし綺麗だろう。

 37 城ヶ島京急ホテル               38 城ヶ島南側海岸その1
   

 城ヶ島は頂上が平坦な、いわゆる台地状の地形になっているが、高い木がないので非常に開放的な風景が広がる。風が強いために木が育たないのだろうか。

 39 高台から太平洋を望む             40 城ヶ島灯台
   

 写真41・42など、気分はエーゲ海である。

 41 遊歩道途中の公園その1            42 遊歩道途中の公園その2
   

 43 城ヶ島南側海岸その2             44 城ヶ島南側海岸その3
   

 南側は太平洋で基本的に断崖絶壁である。激しい浸食で写真45のような奇景が見られる。
 2006年4月30日 14:28 ついに神奈川県の最南端に到達した。

 45 馬の背の洞門                 46 城ヶ島太平洋側の断崖
   

 島の東側は美しい公園になっている。たしか、戦争中はここは東京湾を守る軍事施設だったはずだが、今は平和そのものの風景だ。

 47 城ヶ島公園入り口               48 城ヶ島公園からの景色
   

 49 城ヶ島公園展望台からの景色          50 城ヶ島公園の芝生広場
   

 公園を後にして、城ヶ島大橋を渡る。

 51 城ヶ島大橋から西を望む            52 城ヶ島大橋から東を望む
   

 53 城ヶ島大橋の下のアマモ群落          54 城ヶ島大橋
   



 城ヶ島大橋を渡りきり、宮川湾へと向かう。このあたりは断崖絶壁になっており海岸へは近づけない。八景原といって風光明媚なところらしいが、草木が生い茂って海はあまり見えない。

 55 宮川湾                     56 八景原の道端
   

 いくら田舎だとは言え幹線道路の歩道に写真57のように海草を干すのはやめて欲しい。思わず笑ってしまった。この後も同じような風景を時々見かけたから、地元の人たちにとっては普通のことかもしれないが。
 宮川公園は太平洋の雄大な景色と風車が印象的な公園だ。この風車は城ヶ島からもよく見えた。

 57 陸橋の歩道に干してある海草          58 宮川公園風車遠景
   

 59 宮川公園風車                 60 みうら・宮川フィッシャリーナ
   

 61 宮川公園から太平洋を望む           62 毘沙門湾遠景
   

 やがて毘沙門湾にたどり着く。このあたりは交通の便が悪く、バスも三崎口への直行便はないので、岩堂山を越えて歩いていくことにした。

 63 毘沙門湾                   64 毘沙門のキャベツの収穫
   

 三浦の明るい畑がひろがる田園風景で景色は良いのだが、廃棄物処理場があるくらいなので三浦市の中でも開発が遅れた地域だと言うことだろう。道路の整備が遅れたせいもある。

 65 台地から宮川公園を望む            66 岩堂山付近の廃棄物処理場
   

  

 帰りは、京急三崎口駅まで歩いたが、結構な距離である。三崎口からは、いつもの京急快速特急の座席が疲れた体に心地よかった。



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