芹沢川 探訪

 相模原台地末端からの湧水を集め、目久尻川と合流する
2008年12月28日 三叉橋〜源流(座間市栗原)


 目久尻川に三叉橋で合流する芹沢川はコンクリートで固められた単なる水路にしかみえないが、源流を探索してみることにする。源流に近くなると、写真2のようにコンクリートで固められてはいるものの、景観に多少配慮した河川改修になるようだ。

 1 目久尻川合流地点のやや上流           2 せりざわなかの橋から上流をみる
  

  

 流れの途中にホタルコーナーがあったが、ホタルの生息に成功しているかどうかは不明である。水質は良いのだろう。

 3 芹沢公園ホタルコーナー             4 解説板
  

 5 座間市営水道栗原水源              6 芹沢公園の横を流れる芹沢川
  

 座間市営水道の水源地を過ぎると、芹沢公園になっており、その横を小川となった芹沢川が流れている。

 7 水生植物の植生                 8 芹沢公園
  

 ついでなので、公園の中を歩いてみる。かなり広大で、谷底から丘の上に上がると芝生広場があった。湿性植物コーナーはいかにも昔は田んぼでしたという雰囲気である。

 9 芹沢公園湿性植物コーナー            10 芹沢公園休憩所
  

 11 芹沢公園芝生広場               12 芹沢公園の木漏れ日
  

  

 公園前の芹沢川源流部に戻り、観察する。写真13のように、ウィローモスに似た水草というかコケが活着しているが、絶滅危惧種の在来種かどうかはわからない。

 13 公園前の水草                 14 芹沢川の暗渠出口
  

 川は写真14のように暗渠になって公園の外に続いているが、その手前では河床に湧水があるようだ。見にくいが、写真15の中央部に湧水による水面の盛り上がりがあるのがわかる。

 15 湧水                     16 暗渠入り口
  

 暗渠は、写真16で終わり、再び源流が姿を見せるが、写真17のようにもはや水流はほとんど見られない。そして、写真18の土管でその細流は姿を消してしまう。

 17 16地点のさらに上流             18 土管
  

 その上流部は写真19のように谷が埋め立てられて地形が改変されているように見える。所々にマンホールがあるので、地中には写真18に続く水抜き用の管が埋まっているようだ。そして、谷は写真20の水源地らしい施設の手前で立入禁止となる。

 19 源流地帯                   20 最深部にある水源地?
  

 回り道をして、谷の上から水源地の入口を捜してみると、写真21のとおり、米軍の水源地であることがわかった。座間の在日米陸軍用の水道らしい。推測ではあるが、旧日本陸軍が建設した水道施設をそのまま使っているのではないかという気がする。
 調べてみるとやはりそのとおりであった。現在、米軍は神奈川県営水道を使っているらしいが、基地の重要性やテロ対策上の理由から、バックアップ用水源として確保するつもりなのではないか。地震や富士山噴火などの大規模災害で、万が一県営水道が止まっても、座間の司令部機能を維持するために水源を確保する必要があるはずだ。もし、私が米軍の司令官だったらそう判断するだろう。

 21 米軍水源地入り口               22 米軍水源地を見下ろす
  

 というわけで、芹沢川の源流を突き止めることが出来た。この湧水も芹沢川、目久尻川、相模川を経て、湘南海岸に注ぐ雄大な旅をしていると思うと感慨深い。
 相模原台地の末端にあるこの谷は、昔は自然豊かな源流地帯であったはずだが、現在もその面影を残している。その豊富な水を求め開発された日本陸軍の水源が、現在の日米安全保障問題にまで関係しているのもおもしろい。

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