筑波山(つくばさん) 標高877m 

        自分の足で登らない山シリーズ第20弾   広い関東平野のどこからでも見える独立峰
◆ 2014年2月23日

 東海道線で東京に向かう車中、川崎駅で、目を疑う光景を見た。横倒しになって黒々とした車体の下をこちらに向けて横たわる無残な京浜東北線の車両である。初めてこの目で見た本物の脱線事故は、想像よりもずっと衝撃的であった。新聞記事を拾っておこう。

京浜東北線事故:1両目が横転 蒲田−鶴見間始発から不通              毎日新聞 2014年02月23日 04時11分
 JR東日本に23日未明に入った連絡によると同日午前1時11分ごろ、京浜東北線の桜木町発蒲田行き回送電車(10両編成)が川崎市川崎区駅前本町の川崎駅を通過する際、同駅構内の工事用車両と激突し、回送電車は1両目が横転し、2両目も傾いている。回送電車に乗っていた運転士ら2人がけが。2人は意識はあるが、けがの程度は不明。工事用車両は無人だった。
 この事故で、京浜東北線は蒲田?鶴見間が始発から不通になり、大宮?蒲田間と鶴見?大船間で折り返し運転になる見通し。同社広報部は「復旧には時間がかかる」としている

 脱線横転したJR京浜東北線回送電車の先頭車両   



 新橋で山手線に乗り換えて、秋葉原へ向かう。別にメイド喫茶に行くわけでも電化製品を買いに行くのでもない。つくばエクスプレスに乗るためである。
 そう、今日の登らない山は筑波山である。事前調査によると、お得な切符があるらしいので秋葉原駅で買った。



 この筑波山きっぷ、往復のTX+バス、ケーブルカー、ロープウェイは乗り放題で、秋葉原からは4300円である。計算してみると、ケーブルカーとロープウェイに乗れば元は取れるようだ。ということは、まじめに自分の足で筑波山に登る人は、この切符は必要ないわけで、まさにこの手抜き登山にピッタリである。というよりも観光客向けの切符だ。では、今回の企画が単なる観光とどう違うのか、という疑問がわくが、いちおう登山靴を履いていくので、行程はともかくとしてこれはあくまで登山なのである。

 のんびりと発券する駅員さんにちょっと苛つきながらも、快速に間に合った。秋葉原駅を9時に出発して、9時45分につくば駅につく。地下に駅があり、地上は整然としているので、駅前だとは思わないクリーンな雰囲気である。仕事で何度も訪れているが、この人工的で無機質な感じは、計画的に作られた都市、例えば、たまプラーザ、港北のセンター南駅、南大沢駅などに共通した感覚である。

  1 つくば駅                    2 つくば駅前
   





 つくばセンターを10時に出発した直行バスに乗っているのは、観光客、登山客だけだ。35分ほどで筑波山神社前に到着である。

  3 筑波山神社前                   4 筑波山神社 その1
   

 大きな観光地図には、いくつかの登山コースが書いてあるが、もちろん今日はケーブルカー利用である。それがこのサイトのコンセプトなのであるからしかたがない、とかブツブツ言いながら怠惰に流れてしまう自分がなさけないが。
 ところで、筑波山をWikiで引くと、概要の次にいきなり歌垣の解説が出てきて、直接的な説明に面食らう。ようするに、すでに奈良時代には春秋の祭りに各地から沢山の人が集まって歌垣、すなわち乱交が始まったらしい。既婚者も参加するというのだから、大らかである。筑波山は、山の高さの割には、有名な山であるが、関東地方からよく見える独立峰だというだけでなく、こんな理由もあったのかもしれない。

 5 現在地案内図


  6 御神橋                      7 御神橋解説板
   

 神社の中を抜けていく。神社の創建は明らかではないが、相当古いことだけは間違いなさそうである。

  8 筑波山神社 その2                9 筑波山神社 その3
   



 ケーブルカーの駅名は山麓駅ではなく、宮脇駅である。神社の横にあるからだろうか。ここの標高は300m。

  10 宮脇駅                     11 筑波山ケーブルカー
   

 ケーブルカーはそれほど混んでいない。隧道を抜けて、標高800mの山頂駅につく。500mの標高を稼いだことになる。気温は0℃と書いてある。

  12 ケーブルカー軌道                13 筑波山頂駅
   



 山頂駅前は、高尾山のような一面の銀世界を期待していたが、残念ながら汚れた雪がところどころに残っているだけである。ここは、別名御幸ヶ原というらしい。たしかに昔は原っぱだったかもしれないが、今は砂利を敷いた土産物屋の並ぶ広場である。

 14 筑波山頂駅前
     

 今日の茨城県の天気予報は晴れのはずだが、残念な天気で視界もいまいちである。まあ、こんな日もあるだろう。

 15 山頂駅から関東平野を望む その1


 16 山頂駅から関東平野を望む その2


 17 現在地案内板


 ここからは、まず、目の前にある男体山の頂上に登ってみよう。登山道に雪がみえたので、さっそく軽アイゼンの出番である。

  18 男体山へ その1                19 男体山へ その2
   



  20 男体山へ その3                21 男体山へ その4
   

 最後の岩場を登り切ると標高871mの頂上である。11時30分だ。狭い山頂にはむりやり神社が建てられている。相変わらずの曇り空だ。

  22 男体山へ その5                23 男体山山頂
   

 展望もイマイチなので下山しよう。おばさん二人がアイゼンを持ってくればよかったと嘆きながら、凍りついた危険な登山道を降りて行く。
 御幸ヶ原に戻る。さすがにこれだけではナンなので、自然研究路という男体山を一周する道を歩いてみることにする。

  24 自然研究路 その1               25 自然研究路 その2
   

 こちらは、さらに凍りついており、歩く人もほとんどいない。

 26 筑波山の成因解説板




  27 立身岩                     28 立身岩解説板
   

  29 自然研究路 その3               30 自然研究路の東屋
   

 31 植物分布解説板


 筑波山は神社の御神体なので保護されてきたのかと思ったら、上の図を見ると自然の植生は、神社周辺にわずかに残されたスダジイと頂上付近のブナだけである。それ以外は、人が燃料や建築材料のために自然林を破壊してしまった事がよくわかる。神聖な筑波山でさえこうなのだから、日本には、本来の植生である自然林は殆ど無いといわれているのがよくわかる例である。

  32 自然研究路 その4               33 自然研究路 その5
   

 34 自然研究路から関東平野を望む


 晴れていればさぞ展望が開けるであろう岩場を過ぎて、北西の斜面になると雪が多くなってきた。急斜面でかなり怖い。

  35 自然研究路 その6               36 自然研究路 その7
   

 所々で道に透明な氷柱がザクザクあるところがある。すくってみると写真38のようにクラッシャーアイスを細長く六角形に整形したような不思議な氷だ。成因はよくわからないが、昼間に溶けて夜に凍ることを繰り返してできたのかな、と想像してみる。

  37 自然研究路 その8               38 謎の氷塊
   



 やや平坦になって、周回路の北端に近づくと、大石かさねの解説板があった。

  39 自然研究路 その9               40 大石かさね解説板
   

  41 大石かさね その1
     

  42 自然研究路案内図
   

 北端を回りこんで反対側に行くと、写真43のとおり石が積み重なって巨大な塚になっているのがわかる。

  43 大石かさね その2               44 自然研究路 その10
   

 なだらかな楽しい雪道の向こうに山頂駅の建物が見えた。

  45 自然研究路 その11              46 自然研究路 その12
   



 12時40分に御幸ヶ原に戻って、今度は東側にある女体山を目指そう。筑波山は双耳峰なのである。

  47 女体山へ その1                48 女体山へ その2
   

  49 ガマ石                     50 ガマ石解説板
   

 51 女体山現在地案内板


 ここは人が多いのだが、観光客が多く雪の坂道で滑りまくっている。怪我人が出ないほうが不思議である。

  52 女体山へ その3                53 つつじヶ丘方面分岐
   



  54 女体山本殿                    55 女体山山頂
   

 女体山もありえないほど無理やり社を建てており、ただでさえ狭い山頂が益々狭くなっていた。ここの標高は877mで男体山よりも6m高い。かかあ天下だな。

 56 女体山からつつじヶ丘を見下ろす


 これから降りて行く東山麓のつつじヶ丘がよく見える。帰りは、歩こうかとも思ったが、雪があるし、どうせフリーきっぷでタダなのでロープウェイに乗ろうという卑しい根性で、ロープウェイ駅に向かった。
 ここ、女体山は、神聖な修行の山である男体山と異なり、例の乱○パーティーが繰り広げられた場所らしい。山の名前のとおりである。

  57 ロープウェイ女体山駅へ             58 女体山駅
   

  59 女体山から男体山を望む             60 現在気温
   

 曇っているので、気温は上がらず、2.5℃である。

  61 ロープウェイ                  62 つつじヶ丘駅
   



 13時30分につつじヶ丘駅に降りた。そのままバスで帰っても良いが、まだ、時間は早い。そこで、筑波山きっぷについていた日帰り温泉の券を使うことにした。つつじヶ丘駅の向かいにある、筑波山京成ホテルのお風呂でも使えるらしい。きれいなホテルで、タダ券なのに何とタオルも貸してくれた。

  63 筑波山京成ホテル                64 筑波山京成ホテルのお風呂へ
   

 天空の湯と言って、露天風呂の眺望が自慢の湯らしい。幸い、誰もいなかったのでお風呂の写真を撮ることができた。テレビやポスターなら、ここで美人モデルがニッコリとお湯に浸かっているシーンになるところであるが、今日の取材は予算がないのでお風呂だけの写真で我慢していただきたい。それにしても、時間がタイトなこのサイトにしては、エライ余裕であるが、まあ、たまにはこんなふうにのんびりするのも悪くないものである。リハビリ中でもあるし (って、いつまでリハビリしているのだろう?)

  65 筑波山温泉天空の湯               66 筑波山温泉天空の湯露天風呂
   

 後はバスに乗ってつくば駅をめざすだけだ。

 GPSによる本日の歩行経路 (歩数:12636歩)


 GPSによる今日の高度記録


 今日は、かの有名な筑波山に初めて登った。登ったと言っても、ケーブルカーとロープウェイを使った怠惰な旅であるが、男体山の周遊道だけは、結構雪山が楽しめた。そして、最後の温泉はやはり最高だったが、何故かホテル内でビールを売っていなかったのが不思議である。

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