小 出 川 探 訪
藤沢市遠藤の谷戸を源流として、寒川町、茅ヶ崎市を経て、相模川と河口近くで合流
◆第1日目(2008年4月19日)
相模川合流地点
(平塚市千石河岸)〜
源流
(藤沢市遠藤)
小出川は、相模川の支流の一つである。とはいっても、合流するのは相模川が海に出る直前で、実質的には藤沢市北部の丘陵地帯から、相模川左岸側の相模平野を横断して相模湾に注ぐ、全長11km強の中規模の河川である。
流域は、ほとんど田園風景であるが、源流はどこなのかあまり知られていない。
1 相模川河口と相模湾 2 相模川・小出川合流地点
相模川の河口は何時来ても空が広い。湘南大橋の茅ヶ崎側、ゴルフ練習場の横を回り込むとシーサイドカントリーだ。ゴルフ場の真ん中を小出川は流れている。
3 湘南大橋から大山方面を望む 4 相模川合流地点から対岸を望む
赤い橋が印象的だ。この川沿いの道ははたして通って良いのかどうかわからないが、とりあえず、ボールに直撃されないように注意しながら歩く。プレジャーボートがかなりある。緑が多くてなかなか良い雰囲気。
5 浜見橋 6 浜見橋上流
7 富士見橋 8 小出川橋
ゴルフ場を抜けると、新湘南バイパスである。ベルブリッジというらしいが、モニュメントが遠くからでも目立つ橋だ。それにしてもベイブリッジと紛らわしい名前だ。ものはぜんぜん違うが。バイパスの下は公園になっていて、のんびりと歩ける。
9 ベルブリッジ 10 宮の下橋
11 宮の下橋から下流を望む 12 宮の下橋から上流を望む
13 湘東橋から下流を望む 14 湘東橋から上流を望む
湘東橋を過ぎると、東海道線の鉄橋で川沿いの道は遮られるので、西側に迂回する。踏切を渡ると、畑の中にお城のような建物が現れる。結婚式場らしい。
15 コルティーレ茅ヶ崎 16 中島橋から千の川合流地点を望む
中島橋からまた、河畔の緑道を北上する。水は濁っていて綺麗とは言い難い。
17 中島橋から上流を望む 18 衛生研究所と下町屋橋
国道1号線は下町屋橋で、川を渡る。橋の茅ヶ崎より下流側には、
旧相模川の橋脚
がある。ちょうど綺麗に整備されていて、橋脚のレプリカが立っていた。昔来た時は、本物が立っていたのを思い出した。
19 下町屋橋から下流を望む 20 旧相模川橋脚
ここは、昔の相模川の流路で、源頼朝の時代に橋が架けられ、頼朝が落馬してその後死んだと伝えられている。わずか800年程で、川の流れは結構変わるものだ。
下町屋橋から上流は左岸側に緑に囲まれた遊歩道がある。
21 下町屋橋から上流を望む 22 新鶴嶺橋
23 浜園橋 24 浜園橋から上流を望む
浜園橋を過ぎると、景色はすっかり田園地帯になる。
25 萩園付近 その1 26 萩園付近 その2
27 萩園橋 28 萩園橋から下流を望む
29 萩園橋から上流を望む 30 萩園付近 その3
新湘南バイパスから分岐する相模縦貫道の工事の真っ最中であった。
31 相模縦貫道工事現場 32 工事現場上流
大曲橋に着いた。茅ヶ崎市と寒川町の境にある橋である。相変わらず、水は濁っているが、汚い感じはしない。
33 大曲橋から下流を望む 34 大曲橋から上流を望む
ここで、対岸に白鷺を発見したので、望遠で動画を撮影してみた。すると大成功。見事サギが魚をゲットしたのである。貴重な絵が撮れたので満足。
動画(サギの捕食)
35 聖天橋 遠景 36 聖天橋
このあたりは、昔は田園風景だったのだろうが、今はかなり家が建て込んでいる。
37 寒川町大曲付近 38 鷹匠橋と駒寄川合流地点
やがて、JR相模線の橋梁が見えた。コンクリートのアーチ橋であるが、まだ開通しておらず、線路は手前の仮設鉄橋で川を渡っている。
39 鷹匠橋から上流を望む 40 相模線橋梁(工事中)
写真41は右側が本流である。見てのとおり、ここからはまた、広々とした空が広がる。
41 寺尾から新堀排水路合流地点を望む 42 寒川町岡田付近
このような田園地帯の中を淡々と流れる素朴な川も、最近はすっかり見られなくなってしまった。貴重な風景といえるだろう。
43 一ツ橋遠望 44 一ツ橋から下流を望む
45 草刈りされた河畔 46 青少年広場付近
2つの丘陵に挟まれた低地を、川はゆったりのんびり流れている。古そうなコンクリート橋は、昭和にタイムスリップしたような錯覚に陥る。
47 追出橋 48 追出橋から上流を望む
周りの田や谷戸からも湧水が流れ込んでいるようだ。
49 流れ込む支流 50 河畔の黄色い彩り
このあたりは、小出川が藤沢市と茅ヶ崎市の境界になっている。
51 藤沢市打戻付近 52 水門
53 新道橋 54 新道橋から上流を望む
55 新道橋上流 56 大黒橋解説板
大黒橋に到着した。ここで、辻堂から続く道に合流する。
道路に挟まれた緑地帯の中を川は流れている。流れはかなり細くなって、もはや小川といった感じであるが、コンクリートで固められてしまっているのが残念だ。おそらく道路の改修とともに自然の川は消滅したのだろう。
57 大黒橋上流 58 諸の木付近
写真59の場所で、川は突然暗渠になってしまった。しばらく周囲を探したところ、交差点の北側に流れを発見。さらにトレースを続ける。
59 暗渠出口 60 山崎交差点から上流を望む
川はコンクリートで直線化されて、ゴルフ練習場方面から流れている。やがて、練習場の横を流れて、そのまま練習場の裏手に回り込んでいた。その最終地点が写真64である。ここでは、北から流れてくる暗渠と南からの暗渠が合流している。北側は住宅地になっており、流れは追跡できなかった。南側は、暗渠の先のゴルフ練習場の高台の横に細い流れがあるのを発見。
61 ジャンボゴルフからの流れ 62 ジャンボゴルフ裏手細流合流地点
写真63,64のようにコンクリート溝になっているが流れはある。その最上流は、写真65で、写真では見えないが、木の奥道路の下からビニールパイプで流れ出ている。しかし、清流というにはほど遠い姿である。
63 ジャンボゴルフ裏手の水源 その1 64 水源 その2
ここはもともと丘になっていたようだが、現在は丘の上にゴルフ練習場の施設が建っている。現状では、源流地域の自然は、完全に破壊されている。結局のところ、源流も河口もゴルフ練習場という、偶然の一致となった。
65 水源全景 66 水源の上
源流地域はともかく、小出川流域は、まだまだ自然が残っており、のんびりと田園風景を楽しむには、良いところである。
ところが、現地調査の後、小出川の源流は、笹窪谷戸と琵琶島であるという記述を見つけた。今回の調査地点は琵琶島の南端の谷に当たる。また、この他に、北側の斜面から流れこんでいる可能性があるが、住宅地の中の暗渠となっており、現地でも水量はほとんど確認できなかった上に、地図上でも河川は確認できない。したがって、琵琶島の水源については、ほぼ全貌がつかめたと言えるだろう。
一方、笹窪谷戸については、今回追跡調査が出来なかったので、次回の課題になってしまった。このサイトは、源流を徹底的に追及するコンセプトの上に成り立っている。改めて、事前調査をした上で、現地に行くことにしよう。
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第2日目・源流追加調査(2008年4月20日) 慶應大学 〜源流(笹窪谷戸)
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