小 湊 鉄 道
◆2005年10月23日
子供の頃は、相模線にディーゼルカーが走っていた。車両は古ぼけて、何よりスピードが遅かった。しかし、懐かしい光景であったことは確かだ。現在、すでに神奈川県内には
ディーゼルカーが走る線路はない。首都圏でもほとんどなくなったはずである。そんな中で、未だに古き良き鉄道の原風景を残しているのが、(一部で?)有名な小湊鉄道である。
千葉県市原市の五井駅から大多喜町の上総中野駅までを結ぶ全長約39kmの非電化路線で、いすみ鉄道に乗り継げば房総半島を横断できる。
さっそく
実際に乗車してみることにした。
横須賀線、内房線を乗り継ぎ、始発の五井駅(
地図
)に到着。結構な都会で、市原市の中心地だがなぜか駅名は五井である。
事前に調べてはおいたが、小湊鉄道の運行本数は少ない。特に終点の上総中野駅までの下り列車は一日3本しかない。上総中野行き最終列車は五井駅を12時20分(もちろん夜中ではなく昼間の...)発である。すごいダイヤだ。
1600円の房総半島横断乗車券切符を買って、10時発の上総牛久行きの列車に乗る。駅員さんに、「この列車は終点の上総中野駅までは行きませんよ。」と念を押される。
1 五井駅に停車する上総牛久行き列車 2 ドア付近
3 連結部 4 五井駅から見えるビル
車両も塗装色も、旧国鉄のローカル線そのもので、なかなかノスタルジックな雰囲気を醸し出している。近代的なビルと昭和の車両のコントラストがおもしろい。
5 五井駅3番線ホームと列車 6 五井駅構内の車両基地
7 五井駅跨線橋と列車 8 車両番号と行き先表示板
車内はやはりお年寄りが多いが、鉄道好きの親子連れもいる。
9 車内の様子 10 車内をまわる車掌さん
エンジンがうなる割にはスピードが遅い列車に揺られて、沿線の景色を楽しむ。30分程でこの列車の終点、上総牛久駅(
地図
)に降りる。この先からは極端に乗降客が減るらしい。
11 馬立駅(
地図
) 12 上総牛久駅で降りる乗客
13 上総牛久駅に停車中の列車 その1 14 上総牛久駅構内
上総牛久駅(
地図
)はローカル線ののんびりした雰囲気が漂い、なかなかいい感じである。
15 上総牛久駅に停車中の列車 その2 16 上総牛久駅に停車中の列車 その3
17 上総牛久駅に停車中の列車 その4 18
上総牛久駅ホーム
19 上総牛久駅に停車中の列車
その5 20
上総牛久駅に停車中の列車 その6
駅の周りを歩いてみると、昭和にタイムスリップしたような商店街で、朝市をやっていた。今時、首都圏でそう見られる光景ではない。貴重である。
21 上総牛久駅舎 22 上総牛久の朝市
23 踏切から上総牛久駅を見る 24 上総牛久駅の上り電車
1時間ほどぶらぶらして、養老渓谷行きの下り列車に乗る。
動画1(上総牛久駅を出発する上り列車) 動画2(上総牛久駅を発車した列車から)
上総鶴舞駅は、その佇まいから関東の駅100選に選ばれているそうだ。
25 上総牛久駅11時28分発下り列車 26 上総鶴舞駅(
地図
)
動画3(上総鶴舞−上総久保間) 動画4(月崎−上総大久保間)
27 上総久保駅(
地図
)
28 高滝駅(
地図
)
ローカル駅をいくつか過ぎて、12時1分に養老渓谷駅(
地図
)に到着した。ここは観光駅で、降りる客も楽しそうで、少し華やいだ雰囲気がある。
29 飯給駅 30養老渓谷駅についた列車 その1
31 養老渓谷駅についた列車 その2 32 養老渓谷駅についた列車 その3
動画5 6(養老渓谷駅から折り返し発車する上り列車)
33 養老渓谷駅舎内部 34 養老渓谷駅舎
35 養老渓谷駅近くの踏切からみた線路 その1 36 養老渓谷駅近くの踏切からみた線路 その2
37 梅ヶ瀬渓谷 38 養老渓谷観音橋
動画7(養老渓谷に到着した下り列車) 動画8(養老渓谷に到着した下り列車に乗り込む)
13時21分に養老渓谷駅から列車に乗り、終点上総中野駅に到着した。
動画8 9(養老渓谷−上総中野間最後尾車窓下り列車)
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上総中野駅に到着した列車 その1 40 小湊鉄道といすみ鉄道の列車が並ぶ
41 上総中野駅に到着した列車 その2 42 上総中野駅のいすみ鉄道の列車近景
いすみ鉄道の車両は、レールバスと呼ばれるもので、ワンマン運転である。合理化という点では、小湊鉄道より進んでいるといえるだろう。大多喜(
地図
)を経て、大原駅(
地図
)で房総半島を横断して太平洋側に出た。ここからは、外房線が東京に連れて行ってくれる。小湊鉄道を満喫するという目的を十分達成して、この小旅行を終えたのだった。
小湊鉄道は、昭和の時代をそのまま残している、タイムマシンのような路線である。首都圏に近いことから、映画やテレビのロケ地にもなっている。しかし、乗客は減少の一途であり、ダイヤも最奥部は一日3本と、廃線間近の状態だ。経営は厳しいだろうが、このローカル線を何とか残してもらいたいものである。
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