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LARRY CARLTONというギタリストがいる。世界的なギタリストだ。私が大学生になり、ハードロックを卒業して聴いていたのが、彼のインストゥルメンタルアルバムである。まだ、クロスオーバーというジャンルがあった頃で、ちょうどStrikes
Twiceというアルバムが出たころ、すぐにレコード(まだCDは実用化されていなかった)を買いに行ったことを覚えている。
当時は、Room335をよく車の中で聴いていたが、同乗者には、男女とも評判は良くなかったと思う。やはり日本語の歌が入っていないと一般受けはしないのである。
サザンオールスターズの古い歌の中にも、彼の名前が出てくる。野口五郎もファンだったことを、最近知ったが、まあ、日本ではギター少年や音楽好き以外にはあまり知られていない存在だったといってよいだろう。
当時のLARRY CARLTONは、まだ若く、長髪をなびかせてギターを弾く姿は本当にかっこよかったのである。しかし、いつしか私の記憶の隅に押しやられ、世間でもその名前を聞くことは無くなっていた。風のうわさでは、強盗に襲われて再起不能になったなどと言われていた。
さて、30年の時が流れ、ネットとipodの時代になり、LARRY
CARLTONの動画を検索してみると、あの長髪は姿形もなくなり、見事なおじさんになっていた。が、元気でギターをひく姿はむしろ余裕さえ感じられて感動したものである。アメリカではリスペクトの対象になっていたLARRY
CARLTONであるが、2011年、突然日本にもその名が響き渡った。御存知のとおり、B'zの松本孝弘との共作「Take
Your Pick」がグラミー賞に輝いたのである。以外な接点であった。B'zは嫌いではないが、失礼ながら、日本のローカルなポップバンド(あくまで世界あるいはアメリカで成功したわけではないという意味で)のメンバーと共演するとは思ってもいなかったからである。
ともあれ、彼の流麗なギターがYouTubeでいつでも見られる時代になったことを感謝しつつ筆を置こう。
平成23年12月31日
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