鈴 川 探 訪
      大山の山中深い渓流を源流として、伊勢原市を流れ、平塚市で金目川に合流
2007年9月9日     平塚大橋(平塚市上平塚)〜源流(大山二重滝)


 水源シリーズ第8弾は、鈴川である。源流はズバリ大山である。大山は、関東平野から西に望む端正なピラミッド型の山で古くから信仰の対象となっている。鈴川は、大山から流れ出て伊勢原を潤し、平塚市上平塚付近で金目川(花水川)に合流する河川である。源流は大山の山中そのものであるため、はたしてたどり着けるかどうか、一抹の不安がある。



 平塚大橋からスタートである。金目川との合流地点はわかりにくいが写真1の右手から金目川が合流している。

  1 平塚大橋から花水川合流点を望む           2 平塚大橋から上流を望む
   

 平塚大橋から東雲橋までは河川改修により広々とした芝生になっているので、河畔の道は快適である。

 3 東雲橋遠景                      4  東雲橋から上流を望む
   

  5  渋田川合流地点                  6 河畔の小径 
   

  7 色氏橋                       8 新幹線橋梁
    



 東橋から右岸に渡る。このあたりから田圃や畑が目立ってくる。ここまでずっと河畔に小径があり、散歩やジョギングしている人も多い。

  9 東橋                       10 平塚市寺田縄付近
   

  11 河畔のススキ                  12 新白髭橋
   

  13 白髭人道橋                   14 小田原厚木道路遠景
   

  15 小田原厚木道路下から宮下橋を望む        16 宮下橋から新大畑橋を望む
   



 ここで3つの川が合流している。写真17のとおり真ん中が鈴川である。鶴巻方面からの水を集めている大根川もわりと広い川幅である。右寄り遙か遠くに鈴川の源流である大山が見える。頂上は雲がかかっているようだ。本当にあそこまで行くのか。

 17 新大畑橋からみた大畑橋と3川合流地点(パノラマ合成写真)


 写真17から18にかけては河畔の道がなく苦労した。

  18 東橋から柳橋を望む               19 伊勢原市終末処理場
   



 伊勢原市の下水は鈴川に流入していた。小田急線の踏切は、田舎っぽくてのんびりした雰囲気。

 20 伊勢原市終末処理場排水口             21 小田急線鉄橋
   

 写真23の観音河原橋は昭和の初めに作られたそうで、ごらんのとおりかなり老朽化が進んでいる。おじいさんの散歩コースらしい。

  22 川合流地点                   23 観音河原橋    
   

 木下橋も同じく昭和初期の架橋でこちらは通行止めである。国道246号ができる前の幹線道路だったのだろう。

  24 大場田橋遠景                  25 木下橋
   

  26 神戸橋(国道246号)             27 神戸橋から上流を望む
   

 246と東名をすぎるとますますのんびりした雰囲気になる。下谷戸橋にはなぜか気になる洋館が建っていた。

  28 東名高速道路橋梁                29 下谷戸橋から上流を望む
   



 途中に伯母様橋という変わった名前の橋がある。どんな由来があるのだろうか。このあたりでも水はやや濁っている。

  30 三宮橋から上流を望む              31 伯母様橋から上流を望む
   

  32 伊勢原市三ノ宮付近の橋(名称不明)       33 名称判読不能の古い橋から上流を望む 
   

 このあたりでは、川の様相が田地帯園から山麓に入ってきた感じに変化する。

  34 伊勢原市三ノ宮付近付近             35 大坪橋から上流を望む
   

 36 伊勢原カントリー入り口の橋(名称不明)と養鶏場  37 36の橋から上流を望む
   

 38 梅原橋から上流を望む               39 新玉橋
   

 このあたりから、いわゆる大山の門前町、旅館や土産物屋が並ぶようになる。大山は徳川時代には江戸を始め、関東一円から信仰を集めていた。大山街道なる道があちこちから通じていたほどである。今は当時のにぎわいはないが、それでも歴史ある観光地の風情が残っている。

 40 加寿美橋                     41 加寿美橋から上流を望む
   

 大山名物といえば豆腐、きゃらぶき、地酒らしい。実際大山豆腐料理は有名で、この辺の旅館に泊まればまず出てくると思って間違いない。

 42 旧道沿いの先導師旅館               43 きゃらぶき屋
   

     

 44 豆腐屋                      45 愛宕橋
   

 46 愛宕滝                      47 愛宕橋から上流を望む
   

 48 先導師旅館                    49 造り酒屋
   

 50 かめや旅館前の橋                 51 開山堂
   

 52 開山堂解説板       53 良辯滝            54 良辯滝解説板


 55 かめや旅館前の橋から上流を望む          56 大山バス停前土産物街入り口
   

  57 猪俣橋から上流を望む              58 土産物屋の裏通りを流れる鈴川
   

  59 豆腐料理屋                   60 土産物屋
   



  61 元滝                      62 雲井橋から上流を望む
   

 大山の歴史と風情を楽しんでいただけただろうか。話が観光案内になってしまったが、大山門前町の中心を流れるのはもちろん鈴川である。ただし、このあたりでは大山川と呼んでいるようだ。もはや沢と呼んだ方がよいだろう。台風の影響か、今日は水量も多い。

 この大山地区の水道は、写真63の大山浄水場で作っているらしい。ということは鈴川の水か。追分駅構内の水道で水を飲んでみたが、非常においしかった。これなら豆腐や酒も良いものができるだろう。大山の名水として売り出したらどうだろうか。

  63 大山浄水場                   64 大山ケーブル追分駅とケーブルカー
   

 ところで、この源流シリーズのコンセプトは歩いて踏破するということである。ケーブルカーという乗物を利用するのは邪道であるとのそしりを免れないかもしれない。しかし、この川の源流は大山の山頂直下である。この時間から、登山道を登ることは山中で夜を迎えるということである。しかも、ここまで平地とはいえ長距離を歩いてきたため、体力的にもかなり限界間近といわざるを得ない。それに登山道は尾根沿いで、鈴川の沢に沿っていないのである。これらの諸事情を考慮して今回は文明の利器を使うことについて読者のみなさんにご容赦いただきたい。

 ケーブルカーはあっという間に海抜600mの下社まで連れて行ってくれる。下界からみていたとおり、上はガスがかって下界より涼しい。

  65 大山ケーブル不動前駅              66 大山ケーブル下社駅
    

  67 下社の茶屋                   68 大山神社下社本殿
   

 下社からミルク色の空気の中、登山道を進む。暗くて昼間なのにカメラのフラッシュが必要なほどである。

   69 大山原生林の解説板
  

 視界が悪いので道を踏み外さないようにしなければならない。なんだかホラー映画のような妙な雰囲気だ。
 やがて赤い幟が見えてきた。なんとか龍王と書いてある。不気味な雰囲気だ。 

  70 二重滝への登山道                71 二重滝直下に架かる橋
   

 これが、鈴川源流の二重滝である。水量は豊富だが霧のため、周りの状況はよく見えない。この上流を確認するためには沢登りの技術と装備が必要だ。さすがにこの霧では登っている人はいないだろう。
 となりの社も不気味だ。

       72 二重滝                73 二重社
          

  74 二十社・二重滝の解説板
 

 しかも、この社の神様である龍神様が写真75のように虚空をにらんでいる。さらに、解説板をみて欲しい。なんと「呪いの杉」である。完全にホラーではないか。
 そういえば空気もひんやりとしているが妖気だろうか。下を見ると「呪いの杉」ではないだろうが、大きな杉が沢を覆い隠すように不気味に倒れていた。

 
鈴川の源流は、げに恐ろしき魔界であった。
(これを真に受けて、晴れた日にスリルを期待して行くと、ご希望には沿えないかもしれません。)

  75 二重滝の龍神                  76 二重滝下の倒木
   

    ご意見・ご感想はこちらまで