秋川(あきがわ) 探訪         

 東京・山梨都県境の山岳地帯に発し、秋川渓谷を刻み、あきる野市を流れ合流する、多摩川最大の支流
第1日目(2011年5月2日)

多摩川合流地点(東京都福生市・あきる野市・八王子市・昭島市境)武蔵五日市駅(東京都あきる野市)


 「秋川」、この美しい名前を持つ川は多摩川最大の支流と言われている。東京都と山梨都県境の山岳地帯を源流として、檜原村、あきる野市を流れ、多摩川に合流するが、支流と言っても37.6kmもある。位置的には、北に多摩川、南に相模川と2つの大きな川に上下を挟まれた格好になっている。
 その秋川をたどって源流まで行こうというのが今回の企画だ。地図によると源流域は東京都ではあるがその最西部、非常に山深いところで、交通の便も良いとは言えないようだ。

 拝島駅を降りて、まず、多摩川と秋川の合流地点を目指す。

  1 拝島駅                      2 河岸段丘上から多摩川を望む
   

 武蔵野台地上からは、合流地点は見えないようだ。



 河川敷に降りていくが、ここは北海道かと思うような広い草原である。合流地点に着くのか不安になってきので、たまたま自転車とを引いていたおじさんに、多摩川はまだですかと聞いてみた。本当は、秋川との合流地点を聞きたかったのだが、すかさず「すぐそこだよ、そこで秋川と合流してるよ。」とのお言葉。私の聞きたいことにズバリ答えてもらったので、礼を言って歩き始めると、すぐに写真4の河原に出た。合流点はそのすぐ下流にあった。

  3 多摩川河川敷                    4  多摩川河原
   

 写真5の右側が多摩川本流、左側が秋川である。空から見てみるとわかりやすい。渇水期ということもあって、秋川も水量では多摩川に負けていない。

  5 多摩川と秋川合流地点               6 合流地点から多摩川下流方面を望む
   

 合流地点を後にして、福生南公園を北上し、睦橋に向かう。

  7 福生南公園から睦橋を望む             8 睦橋から多摩川下流を望む
   



 睦橋を渡ると、あきる野市である。多摩川沿いの道を戻るようにこちら側から合流地点を目指す。やがて、道は写真10のような森の中に入っていく。

  9 睦橋右岸側から合流地点への道 その1        10 合流地点への道 その2
   

 マムシ注意の看板の横に多摩川合流点の標識があった。しかし、川は全く見えない。実際の合流地点はずっと南であるが、道はないようなので、そのまま道なりに歩くと写真13で初めて秋川を見ることが出来た。

  11 合流地点標識                  12 秋川への道
   

  13 あきる野市小川付近               14 下流と対岸を望む
   

 対岸には丘陵地帯が広がっている。



 左岸側の川沿いの道を行くと写真15のように川が大きく屈曲して、その先に橋が見えた。東秋川橋である。

 15 東秋川橋


  16 東秋川橋から下流を望む             17 秋川ふれあいランド
   

 東秋川橋の上流は、河原が広いが、有料の駐車場とバーベキュー場になっていて、市民が気軽に川に触れ合えるといった雰囲気ではないのが残念である。
 その先は、なかなかワイルドな感じの道になっていた。

  18 河畔の道                    19 秋川に流れこむ用水路余水
   



 ちょっとした広場を越えると真っ直ぐな堤防の上に見事な桜並木が続いている。

  20 あきる野市野辺付近               21 桜並木
   

  22 川に関わる人達                 23 河岸段丘
   

 秋川にも後背地には立派な河岸段丘がある。

  24 野鳥を狙うカメラマン達             25 合流点から2.5kmポストと河畔道
   

 東秋留橋が見えてきた。しかしここまでの秋川は多摩川の一支流とは思えないほどの雄大な河川敷である。橋も長い。右岸側はずっと小高い緑の丘陵地帯である。

  26 あきる野市雨間付近の堰             27 東秋留橋
   

  28 東秋留橋から下流を望む             29 東秋留橋から上流を望む
   

 東秋留橋は、新旧2本の橋が架かっており、アーチが美しい上流側の旧橋は自転車、歩行者専用となっている。

  30 旧東秋留橋                   31 あきる野市雨間付近
   



 左岸側には、小魚が群れる小川が流れていて楽しい。秋川から引き込んだ用水路のようだ。

  32 河川敷を流れる用水路 その1          33 河川敷を流れる用水路 その2
   

 用水路があるということは、堰があるということである。

  34 名称不明の堰                  35 南郷堰
   

 秋留橋付近には水道橋、人道橋、車道橋、圏央道とたくさんの橋が架かっている。

  36 合流点から4km付近               37 秋留人道橋から下流を望む
   

 昔から重要な橋だったらしく、昔の橋柱が記念に残されていた。

  38 秋留人道橋から上流を望む            39 秋留橋の親柱
   



 圏央道の橋脚は、モアイ像を連想させるユニークな形をしている。

  40 圏央道                     41 河原のバーベキュー
   

 男ばかりの裸の豪快なバーベキューの現場を過ぎると、東京サマーランドの大きな建物が見えた。

  42 堰と対岸の東京サマーランド その1       43 堰と対岸の東京サマーランド その2
   

 44 河畔の藤




 歩きやすい道が続く。ところどころにある花やベンチがなかなか楽しい。

  45 ベンチ                     46 リバーサイドパーク一の谷管理棟
   

 広い河原は、バーベキュー場になっている。学生が多いようだ。

  47 リバーサイドパーク一の谷            48 リバーサイドパークに流れこむ湧水?
   

 引田橋に着いた。堰があるらしく、川幅が広くなっている。ここから右岸側に渡ることにしよう。

  49 引田橋                     50 引田橋から上流を望む
   

  51 旧引田橋解説板
  

 サマーランドはサーキット場だったのかと思ったら、会社名だけだったようだ。



 高い位置で雄大に川を横切る大きな橋が見えた。山田大橋である。

  52 山田大橋                    53 山田大橋から下流を望む
   

 下流は、写真53のように典型的な平地を流れる中流域といった景色であるが、上流側は、写真54のようにうって変わって美しい渓流の風景になっている。
 この橋が、秋川の中流と上流の境界と言ってよさそうである。しかし、それは同時に川沿いの堤防上を歩く道がなくなることを意味している。

  54 山田大橋から上流を望む 

  55 山田大橋から上流を望む             56 魚道
   

 鮎が昇れるように魚道もついている。
 山田大橋から先は両岸が丘陵地帯になるので、左岸側の一般道を行くと、雰囲気のある橋に出た。対岸には茶屋のような店がある。昔から街道沿いで一服する景勝地として親しまれていたのだろう。

  57 道案内の石塔                  58 網代橋
   

 59 網代橋から下流を望む


 60 網代橋から上流を望む


 先程の道標といい、このお地蔵さまといい、古そうな道である。ここから右岸側の山道を歩くことにする。

  61 橋の袂のお地蔵様                62 あきる野市網代付近
   



 63 あきる野市高尾付近


 青梅から上流の多摩川に雰囲気が似てきた。なかなか美しい秋川である。

 64 新秋川橋から下流を望む              65 新秋川橋から上流を望む
   

  66 瀬音みち入口                  67 岩走神社
   

 立派な神社の前にから、いかにも昔からありそうな集落へ続く道を下りていく。

   68 瀬音みち                    69 瀬音みちから見た秋川
   

 この川沿いの道は、「瀬音みち」というらしい。確かに川のせせらぎの音が聞こえてきそうな近さである。

  70 瀬音みち                    71 五日市橋から上流を望む
   

 五日市橋に出た。

 72 五日市橋から下流を望む
 


  73 高尾橋から下流を望む
   五日市橋のすく下流には高尾橋が架かっている。

 74 高尾橋から上流を望む


 武蔵五日市駅が近く、市街地が広がっているが、橋からの景色は渓流そのものであり、不思議な感じがする。



 広い駅前通りに出てしばらくすると、武蔵五日市駅に着いた。本日の終着点だ。

  75 五日市市街の高台から秋川を望む         76 武蔵五日市駅
   

  77 終着駅の証拠
  この駅は終着駅なので、その証拠を撮っておいた。

 多摩川合流地点から山田大橋までの秋川は、広い河川敷と川沿いに続く道が続く、田園風景と河岸段丘の典型的な中流域の様相を示していた。山田大橋より上流は、渓谷といえるような丘陵地を深く削る地形の中を流れる川となって、この目を楽しませてくれた。次回からは、いよいよ鉄道も通わない山間地へと入っていくことになるだろう。
 (本日の歩数:32510歩)         

NEXT ◆第2日目(2011年10月3日)武蔵五日市駅 〜 檜原村役場

関連サイト 多摩川 
第3+2日目(2009年9月14日)多摩大橋〜青梅駅
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