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茶臼岳(那須岳) 標高1915m 登山開始地点標高1690m 那須連山と広大な那須高原を形成した活火山 |
◆ 2012年8月4日
夏は放浪のオフシーズンである。猛暑は体に悪い。しかし、涼しい場所に行けば別である。一般にこのような行為を避暑というが、なんとなくお金に余裕のある人の優雅なイメージである。
貧富の差はともかく、移動により暑さを避ける方法は、北に行くか、高いところに行くかである。前者の代表が北海道、後者が軽井沢である。今回は、高いところに行こうと思う。しかし、北アルプスのような高山は、登るのが大変である。低山は暑い。そこで、文明の利器を使って簡単に登れる涼しそうな高い山を探すと、幾つかの候補があった。その中から、那須ロープウェイで登れる茶臼岳を選んだのは理由があるが、プライベートなことなのでここでは触れないことにする。那須高原は御用邸で知られる避暑地でもある。
というわけで、夏の東北道を北へ向かう。途中で工事の渋滞があったが、なんとか15時過ぎに宿に着いた。那須御用邸の隣の会員制高原リゾートホテルである。会社の割引の効くところを申し込んだのだが、駐車場には外車や高級車が多い。こんな汚い服装では泊めてもらえないのではないかと心配したが、さすがにフロントでは身分差別はされず、杞憂に終わった。風呂は典型的な硫黄泉で火山の麓であることを実感。料理は信じられないほど旨いが、もっと驚いたのは、アルコール飲料もすべてフリーだったことだ。普段の食生活がいかに貧しいかを実感したところで、冷たくて口当たりの良い地酒を飲み過ぎたようなので、オリンピックも見ずに早く寝る。タダ酒に弱いのはまだまだ人生の修行が足りないからだろう。
1 那須ロープウェイ山麓駅
翌朝、ロープウェイの駅に向かった。標高は1380m。
2 山麓駅から茶臼岳を見上げる
山麓駅から茶臼岳を見ると、溶岩の崖がそびえ立っていた。この崖をロープウェイで一気に越えられるのはありがたい。山頂駅は1690mなので、約300mをロープウェイで一気に登ることになる。しかし、登山を目の前にして、お腹の調子がいまいちである。多分、前日の夕食で肉を食べ過ぎたのだろう。貧乏人がバイキングで陥る悲しい罠である。ただし、睡眠時間は十分で、涼しいので元気はある。
3 山頂駅から山麓を見下ろす
山頂駅からは、眼下に雲海が広がってた。素晴らしい。この現象は、時々見られるらしく、ロープウェイの会社のHPにもわざわざ見所として書かれているほどである。8時51分、出発だ。
4 南月山方面分岐
登り始めてすぐに南月山方面への登山道を分ける。
5 南月山方面
すでに森林限界を超えているらしく、大きな木はない。岩の転がる高山植物帯である。登山道はなだらかだが、石が浮いていて以外に登りにくい。気温は測らなかったが、さすがに涼しく、日焼け防止に長袖を着ている人もいる。
6 登山道から見る雲海
正面には茶臼岳の溶岩ドームがその荒々しい岩肌を見せている。もう手の届きそうな近さだ。写真7の右上にある大きな岩は、八間岩というらしいが、そこからはやや傾斜がきつくなり、岩が多い登山道になる。
7 茶臼岳を見上げる
8 山頂直下 9 茶臼岳火口
すり鉢状になった火口を見ながら、山頂に向かう。9時38分に到着した標高1915mの山頂には、小さな神社があった。狭くて混んでいる。意外と若い人が多い。
10 茶臼岳山頂鳥居 11 山頂
ここから眺める雲海と周囲の山々は、まさに筆舌に尽くしがたい絶景である。
12 山頂から日の出平方面を望む
13 山頂から三倉山方面を望む
14 山頂から火口を見下ろす
15 山頂から朝日岳方面を望む
北側には、険しい朝日岳がそびえ、そこに続く尾根の峠には、赤い屋根の小屋が見える。山腹からは噴煙が上がっているのが確認できた。なかなか迫力のある景色である。
下山し、再びロープウェイで山麓駅まで降りて、車での帰り道、殺生石に向かうと、そこにはたくさんのお地蔵様が鎮座していた。
16 千体地蔵 その1 17 千体地蔵 その2
火山ガスを吹き出す一帯には緑はない。
18 殺生石
茶臼岳は、ロープウェイを利用すればだれでも登れるが、森林帯ではなく、火山の作る高山植物と岩の高山帯は素晴らしい。そして、天候に恵まれ、雲海と山頂からの絶景を見ることができたのは、思い出に残る避暑地の出来事であった。
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