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大菩薩嶺(だいぼさつれい) 標高2057m
自分の足で登らない山シリーズ第28弾 バスで登れる首都圏に近い人気の2000mの山 |
◆ 2014年11月3日
大菩薩嶺は、首都圏から気軽に行ける2000m級の山として、雲取山とともに人気がある。以前にもこのサイトで紹介したが、記録によると2005年5月21日に訪れている。が、今回は改めて、この「自分の足で登らない山シリーズ」で取り上げたいと思う。それは、10年前とは事情が変わったからだ。
当時は、塩山駅で下車し、バスで終点の大菩薩峠登山口、烈石という標高900mの麓から登ったが、その後、この山の人気に目をつけた地元の会社が、甲斐大和駅から標高1580mの上日川峠までのバスを運行するようになったからである。つまり、700m分を自分の足で登らなくて良くなったのである。
天気のよい晩秋の日に中央線に乗る。甲斐大和駅で降りる人はかなり多くて、ホームが原色で彩られる。トイレに寄ってから駅を出ると、写真1のように長蛇の列である。バス会社の人が無線でやりとりしているが、増発便のバスのやりくりのようだ。とても1台では乗り切れないので、時刻表とは関係なく、バスが駅に着き次第出て行く感じである。最初のバスに乗れなかったおかげで、2台目に座ることができた。1時間弱で上日川峠に着く。
1 甲斐大和駅 2 上日川峠
上日川峠は特徴的なロッジがメルクマールの明るい場所である。前回はここまで登ってくるのに結構大変で、ここからは遊び半分でも登れたのを覚えているが、ここまでバスで登ってくれば、このサイトのコンセプトであるイージー登山の典型例になるかもしれない。
3 大菩薩嶺案内図
9時13分に上日川峠を出発して、車道と平行するなだらかな登山道を登っていく。
4 福ちゃん荘へ その1 5 福ちゃん荘へ その2
6 福ちゃん荘へ その3 7 福ちゃん荘
9時36分、福ちゃん荘に到着である。賑やかだ。ここで、カロリーを補給するためにコンビニおにぎりを食べる。標高1720mと書いてあるので、1897mの大菩薩峠までの標高差はたった180mしかない。心を軽くする数字である。
8 福ちゃん荘看板
若者グループの写真を撮ってあげたりしながら、ふと尾根を見上げると、予想外にここからの景色が素晴らしいことに気がついた。
9 福ちゃん荘から稜線を望む
10 富士見山荘へ その1
11 大菩薩嶺案内図
12 富士見山荘へ その2
13 富士見山荘から望む富士山
9時54分、富士見山荘についた。10年前の様子だと廃屋になっているかと思ったが、むしろ綺麗になっているのには驚いた。そういえば、別荘の設定でドラマのロケに使われていたが、たしかに、見るからに山の別荘、つまり「山荘」という出で立ちではある。
14 富士見山荘
15 勝緑荘へ その1 16 勝緑荘へ その2
大した斜度もない散歩道の様な登山道は幅が広い。たぶん車が入るのだろう。沢を渡ると勝緑荘である。10年前には閉まっていたが、今日は営業していてコーヒーの看板も出ていた。HPから、案内を抜粋してみよう。
「勝縁荘」は昭和7年(1932年)に開設した、歴史ある山小屋で、中里介山氏、深田久弥氏縁の山小屋です。小屋内には「囲炉裏、ランプ」が有り、趣のある雰囲気です。名称の由来は中里氏が、山上を訪れた時、落ち着いたたたずまいを喜び、峠からの眺望の「広濶」で「優美」なことに感嘆した。そして経典から言葉を選び、この山小屋を「勝縁荘」と命名した。又、深田氏は『日本百名山』の中にも「・・・土曜の晩、山小屋勝縁荘に泊まって、山荘のあるじ、益田勝俊(創設者)さんから、いろいろおもしろい話を聞いて、夜の更けるのを忘れた」とある。
蛇足だが、中里介山は、大菩薩峠を書いた小説家である。暗い歴史小説の舞台が、150年後には登山者で賑わうようになっていることを知ったら、机竜之助も驚くだろう。
17 勝緑荘 18 大菩薩峠へ その1
19 大菩薩峠 その2 20 大菩薩峠へ その3
21 大菩薩峠へ その4 22 大菩薩峠へ その5
笹原の中を登って行くと、介山荘が見えた。
23 介山荘 その1 24 介山荘 その2
25 大菩薩峠案内図
10時28分、介山荘の建つ大菩薩峠に到着した。
26 大菩薩峠 その1
27 上日川ダム解説板
28 大菩薩峠から雲取山・奥多摩方面を望む
東に目を向けると、奥多摩の山々がよく見えた。多摩川の水源地である。写真28の中央、右側が緩斜面、左側が急斜面になっている三角の尖ったピークが雲取山である。
29 大菩薩峠 その2
30 大菩薩峠から雷岩方面を望む
31 信仰の名残 32 親不知ノ頭へ その1
33 親不知ノ頭へ その2 34 介山荘を振り返る
快晴の青空の下で稜線を歩く。
35 親不知ノ頭 その1 36 親不知ノ頭 その2
笹に覆われた明るい尾根が続くが、なんといっても左手の雄大な眺望が、この山の人気の源だろう。
37 親不知ノ頭から富士山と大菩薩湖を望む
38 富士山ズーム
39 大菩薩湖ズーム 40 現在の気温
親不知ノ頭の岩に座って、ゆっくりと至福の景色を眺める。気温は10℃だが、風が強くて寒いので、一度座った人もすぐに移動してしまう。
41 親不知ノ頭から甲府盆地と南アルプスを望む
42 積み上げられた石
43 賽ノ河原を見下ろす
44 賽ノ河原避難小屋 45 賽ノ河原
その1
46 賽ノ河原 その2 47 賽ノ河原 その3
賽ノ河原が旧大菩薩峠なので、小説の舞台もここになるのだろう。
48 雷岩へ その1
49 甲府盆地と南アルプスを望む
50 大菩薩嶺に続く尾根
51 雷岩へ その2 52 大菩薩峠と富士山を振り返る
53 雷岩へ その3
54 大菩薩湖と富士山
55 標高2000m地点 56 雷岩へ その4
この尾根は北にある大菩薩嶺に向かってゆるやかに登っており、やがて標高2000mを越える。
57 尾根のすすき 58 雷岩へ その5
59 雷岩から望む富士山 60 雷岩
11時49分に標高2040mの雷岩に着いた。
61 雷岩の分岐 62 大菩薩嶺山頂
雷岩の奥にある大菩薩嶺には、11時56分に到着した。標高は2057mで意外と高い。展望がないのでたいていは酷評されるが、もちろん山のせいではない。雷岩でお弁当を食べればよいだけである。
頂上には直進すると上日川峠には戻れないことが大きな字で書いてある。こんな親切な看板は他には高尾山でしか見たことがないが、それだけだれでも登れて、間違える人が多いということだろう。
63 大菩薩嶺山頂の注意喚起 64 雷岩に戻る
前回と同様、丸山峠経由で烈石に降りようかとも思ったが、同じ道では芸がないので、上日川峠に降りることにする。まあ、今日は手抜きである。
65 上日川峠へ その1 66 上日川峠へ その2
名残惜しい絶景だった尾根を振り返りながら、甲府盆地に向かって降りて行く。
67 尾根を見上げる
68 笹原 69 上日川峠へ その3
70 福ちゃん荘へ戻る 71 上日川峠
13時30分に上日川峠につくと、帰りのバスが待っていた。時間はあるが寒いので乗り込む。
72 峠で待つ甲斐大和駅行きバス
GPSによる本日の歩行経路 (歩数:18192歩)
GPSによる今日の高度記録
大菩薩嶺は、甲斐大和駅からのバスを使うと、気軽に2000mの山に登れて、景色は富士山を中心とする超絶クラス、東京から近くて日帰り可能、と、考えてみればこれだけの好条件を持つ山も多くない。上日川峠には駐車場もあるので車でも行ける。婚活で言えば、イケメン、身長180cm、年収2000万というレベルなので、モテるのは当然である。
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