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海岸線をどこまでも 本州一周 (になるかもしれない旅) 現在鹿島灘を踏破中 |
◆第12+29日目(2011年3月5日) はまなす公園前駅 〜 大洋駅
銚子で、房総半島の旅を終え、鹿島灘を歩き始めて2日目、今日は日本で二番目に長い駅名の駅からの出発である。
早起きして東京駅から高速バスに乗り、鹿島神宮駅から鹿島臨海鉄道の赤いディーゼルカーに乗ってここまでやってきた。長いアプローチである。それでもすでに10時を回っている。
1 鹿島神宮駅 2 長者ケ浜潮騒はまなす公園前駅
3 長者ケ浜潮騒はまなす公園前駅前 4 はまなす公園展望台
1.5kmほど歩くと海岸に着く。前回の最後に会った「はまなすの精」は青い海と空の狭間に、相変わらず凛として立っている。
5 海への道 6 はまなすの精
遠い水平線の向こうにかすかに浮かぶ小さな雲を除けば、遮るもののない真っ青な空が頭上に広がっている。
7 はまなすの精突堤から北方向を望む
相変わらず、ヘッドランドが等間隔で並ぶ海岸は無粋ではあるが、砂浜自体は貝殻が混じる美しい海岸である。
8 角折海岸 その1 9 角折海岸 その2
砂丘にポツンと置き忘れられた、小さな小舟が気にかかる。
10 角折海岸 その3 11 忘れ去られた小舟
青い袋に入れられて等間隔に整然と並ぶロープの束が目を引いた。地引網に使うロープだろうか。
12 並んだロープ 13 海岸の道
14 防風柵 15 白い別荘風の建物
左手に写真15の白い地中海風の建物が見えた。別荘だろうか。カメラをむけると、初老の夫婦がベランダに出てきて、叫んでいる。写真を撮るなということらしい。もちろんすぐにカメラをしまう。しかし、人を犯罪者扱いする高飛車な言い方にカチンと来て、大人げないと思いながらも、ちょっとからかったら、オバサンはものすごい形相で「◯△×*%$=アホ!!!」と絶叫していた。建物の外観は優雅だが、住んでいる人はそうでもないようだ。
さて、この人達が言うように、公共の場所から建物の写真を撮ることは違法なのだろうか。念のため、ネットでちょっと調べてみた。
まず、公道など敷地外から建物を撮影するのは何ら問題がない。ほとんどの建造物には著作権が認められず、仮に著作権が認められても、その建築物を模倣して建てたりしなければよいらしい。写真撮影して公表しても著作権侵害とはならないのは当然である。
著作権法抜粋
(公開の美術の著作物等の利用)第46条 美術の著作物でその原作品が前条第2項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
2.建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合
もちろん、意図的に無断で敷地内に入って撮影した場合、個人情報やプライバシーが識別できるような写真や公序良俗に反するような写真を公表した場合は、別の法律による問題がでてくるのは当然である。
公共の場所から自然や建物の写真を撮ったり、それを公表するのが違法だとすると、写真を載せている新聞、雑誌、ウェブサイトはもちろん、グーグルのストリートビューや高精度の航空写真もすべて違法になってしまうわけで、まあ、そんなことがありえないのはいうまでもない。
ということで、安心して旅を続けることにする。
16 流木と海
海岸にゴミは見られず、単調な中にも、砂浜にはちょっとした変化がみられるのがおもしろい。
17 はでな標識 18 きれいな川
19 浜津賀海岸
20 小さな河口
21 海とチェア 22 看板群
看板によると、潮干狩りができるらしい。とは言っても汚い...いや、「栄養分の豊富な」東京湾でやっているアサリではなく、ハマグリのようだ。さすが、鹿島灘、なかなか豪快である。
23 海岸の木杭 24 貝殻海岸
25 大小志崎海岸
美しい海岸が続く。
26 謎の建物 27 廃屋
28 海岸の松
三角屋根の家が並んでいるが、雨戸は閉まっている。別荘らしい。
防波堤には、見張り台のようなものがある。サーファーが設置したものでもないようだ。何を見張るのだろうか。
29 別荘群 30 見張り台
31 孤高のフラッグ
地図によるとこのあたりで、鹿嶋市から鉾田市に入ったらしい。今日は寄れなかったが、この近くにハマナス自生南限地があるそうだ。
32 物干し? 33 砂に埋もれた自転車
34 ヘッドランド 35 サーファーの駐車場
ここは、駐車場があり、サーフポイントになっている。寒い中で浜辺からサーファーを撮影している女性が印象的だった。仕事だろうか、それとも....
36 サーファー達 37 撮影隊
防波堤の道を遮る障害物が現れた。
38 漁船 39 障害物
突如、前方から爆音が迫ってきた。オフロードバイクの一群である。気持よさそうではあるが、やはり浜辺の暴走族はやめたほうが良いだろう。
40 浜辺を走るバイク 41 夏の名残り その1
42 夏の名残り その2
43 夏の名残り その3 44 夏の名残り その4
このあたりは、写真のとおり、海水浴場らしい。調べてみると、京知釜海水浴場というらしいが、なんと2005年からは正式な海水浴場は廃止されたそうだ。このうらぶれ感は、単に季節だけが理由ではなかったのである。
ところで、写真45のように海辺に立つこの食堂の名前の「コスモ」と「末広亭」の2つの単語は、私の頭の中でどうしても結びつかなかった。
45 コスモ末広亭 46 ヘッドランド
海水浴場がなくなれば、ペンションもやっていけないだろう。
47 廃墟となったペンション 48 サーフポイント案内板
美しい砂丘が続く。これで、ヘッドランドがなく、砂浜が弧を描いてどこまでも続いていたら、さぞかし素晴らしい光景だろう。
49 砂丘
まだ陽は高いが、今日の海岸行はここまでにする。実は、鹿島臨海鉄道は、このあたりから内陸部に入り込むため、この先の海岸は、さらに交通の便が悪くなるのである。したがって、比較的海岸に近い最後の駅である「大洋駅」を本日の最終目的地にした。写真50の防波堤のあるゲートが、大洋駅から東へ向かって突き当たる海岸である。この先も砂浜が続くが、その先に久々に半島のようなものが見えた。おそらく大洗海岸だろう。またまだ遠いが、いつかあそこまでたどり着くことは間違いなさそうだ。
50 防波堤ゲート
内陸部へ向かう。民家がポツンと散在する寂しいところだ。
51 海岸から東へ 52 耕作放棄地
ところどころ未舗装の道を大洋駅に向かう。何も無い見通しの良いところに突然駅が現れた。本当に駅前には何も無い。
53 畑 54 大洋駅
55 鉾田市観光案内板
夕陽がさすホームには誰もいない。この寂しさでは、心配になってしまうが、時刻表を見ると30分後に確かに鹿島神宮行きの列車が来るようで、安心する。
56 大洋駅ホーム
57 大洋駅に着く列車
跨線橋の上からみた、鹿島臨海鉄道の1両編成の列車は、なかなか絵になっていた。
鹿島神宮駅に着くと、成田行きの電車が待っていたので跳び乗る。成田では、すぐに横須賀線直通の快速が来た。今日は珍しく乗り継ぎが良いようだ。成田駅で時間がなかったので、グリーン車に乗り込み、車内販売で買ったビールを飲む。いつものことながら、車内で飲むビールはなぜこうも旨いのか。
このようにのんきな帰路であったが、この時、すでに太平洋の地殻プレートの歪は限界に達しており、東日本の太平洋側を破壊しつくす地震と津波の発生が6日後に迫っていることは知る由もなかった。
この文章を書き終えて、サイトにUPした直後の3月11日(金)午後3時半現在、想像を絶する津波の映像が、テレビで流れている。もし、今日海岸を歩いていたら命はなかっただろう。神様がまだ歩き続けてもいいよ、といってくれたのだろうか。
(本日の歩数:26910歩)
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