酒 匂 川 探 訪
富士御殿場からの湧水を集め、丹沢山中に谷を刻み、足柄平野を潤し、相模湾に注ぐ
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第3日目 2009年3月15日 駿河小山駅 〜 御殿場プレミアムアウトレット
酒匂川の3日目は、静岡県
駿河小山駅
からのスタートである。箱根と丹沢の境界の谷間にあるこの町の真ん中を、川は流れている。地図をみても、川に沿った両岸の細長い土地に街が広がっているのがわかる。
ところで、今まで、酒匂川と書いてきたが、河内川合流地点から上流は地図もすべて鮎沢川の表記となっているので、今後は鮎沢川と記載することにする。
駿河小山駅前はまことに素朴で、高台に神社があったり、人気のない昔ながらの商店街が続いていたりする。
1 駿河小山駅 2 高台の神社
3 駅前商店街 4 富士見橋
御殿場線の踏切をわたると、富士見橋という大きな橋があり、町の中心地になっている。その名前のとおり、ここからみる富士山は、写真4のとおりの景色である。
5 左岸に流れ込む小河川 6 魚道
また、小山町中心部には地図でもわかるように富士山から丹沢に続く山々から流れ出た、大小の川がたくさん合流している。
7 下野沢橋 8 小山町の小河川(名称調査中)
9 落合橋 10 落合橋から下流を望む
落合橋から上流は、川沿いの道は途切れ、右岸側の高台の道を遡る。写真12の橋は行き止まりで工場専用らしい。右にある橋は旧橋だろうか。
11 落合橋から望む須川合流地点 12 新森村橋
道は、高度を上げて、下のような絶景をみることができる。鉄道マニアなら御殿場線のよい撮影ポイントになりそうだ。
13 高台から鮎沢川と富士を望む
14 坪入橋から下流を望む 15 坪入橋から上流を望む
やがて、川と橋と高速道路と鉄道がからむ場所を通る。水の透明度はまあまあであるが、コンクリート護岸が目立ち、清流という感じではない。
16 東名高速道路と馬伏川合流地点 17 16の地点から下流を望む
18 花戸橋から下流を望む 19 花戸橋から上流側、御殿場線鉄橋を望む
このあたりには川沿いの道はなく、集落の散在する道を歩く。
20 小山町竹之下付近 その1 21 東電取水路?
このあたりから、川沿いの道があった。足柄駅に近いためか、対岸では農地をつぶして整地している。
22 消防団のかわいいイラスト 23 小山町竹之下付近 その2
24 小山町竹之下付近 その3 25 千束橋から御殿場線を望む
千束橋に着く。釣りをしている人がいる。今日が解禁日らしい。橋の向かいが足柄駅である。
26 千束橋から下流を望む 27 千束橋から上流を望む
駅前のロータリーも広々している。この駅は山中にあるが、明るい雰囲気がよい感じである。建物が新しい感じのものが多いせいもある。そのため、新しい駅かと思ったが写真30の説明を読むと戦後すぐの開設らしい。
28 足柄駅 29 足柄駅前ロータリー
30 足柄駅由来解説板
31 新千束橋から下流を望む 32 新千束橋から上流を望む
水は割合きれいで、水量もかなりあるが、相変わらず無機質なコンクリート護岸が続く。
33 新千束橋駅上流 34 向田橋を望む
35 向田橋から下流を望む 36 向田橋から上流を望む
37 山沢川合流地点 38 小山町新柴付近
写真39の橋の名前は読めなかった。轡と書いて「くつわ」と読むらしい。馬の口に付ける金具のことであろうか。漢字が読めず、浅学を暴露してしまったが、受験料を払ってまで漢字検定を受ける気はない。
39 轡橋から下流を望む 40 轡橋から上流を望む
41 小山町桑木付近 42 道端の祠
しばらく、川から離れて歩き、高台から降りていく。
43 桑木付近の高台から見下ろす鮎沢川と御殿場線 44 新金時橋から下流を望む
45 新金時橋から上流を望む 46 右前方に足柄サービスエリアを望む
対岸の塔は足柄サービスエリアらしい。その下を、水色の車体の特急列車が御殿場に向けて駆け抜けていった。
47 対岸に足柄サービスエリアを望む 48 紅葉橋から下流を望む
東名高速道路の手前で地蔵川と合流するが、写真49のように下からみると橋が架かっており、たくさんの人が歩いていた。位置的にみて、御殿場プレミアムアウトレットだろう。このあたりから御殿場市に入る。
49 紅葉橋から地蔵川を望む 50 東名高速下 その1
51 東名高速下 その2 52 御殿場市深沢付近
このあたりの川沿いは、谷が深くて近づけないが、牛淵の解説板があり、昔から有名なところらしい。
53 牛淵解説板
54 牛淵上流 その1 55 蛇行する川
川に近づけるポイントが写真54であるが、ここで初めて、この川がワイルドな自然の姿を見せた。渓流であるが、水量が多くなかなかの迫力である。逆に、鮎沢川はここ以外はすべてコンクリートで固められてしまった川とも言える。まあ、このことは鮎沢川に限ったことではないが....
このあたりで、標高400m程度だろうか。急流と言うほどではないが、着実に高度を上げている。
ふと前方を見上げると写真56のように富士山がその雄大な姿を現した。ここは、いわば鮎沢川のハイライトとも言える場所なので、動画でもごらんいただきたい。
富士山と鮎沢川(動画)
56 富士山を望む 57 暢気父橋付近
ここで、妙な名前の橋に出会う。暢気な父と書いて「暢気父橋」である。読み方は、「のんきちちばし」ではなくて「のんとはし」らしいが、意味は同じであろう。こんなところを酔狂に歩いている父さんとは、まさに自分自身のことであるような気がして思わず笑ってしまった。この橋の名前の由来を是非知りたいものである。
59 暢気父橋銘板 60 暢気父橋から下流を望む
暢気な父ではあるが、仕事や私生活で悩みがないわけではない。しかし、月並みではあるが、こうして歩いていると、日頃の悩みを忘れてリフレッシュできるということも事実だ。
実はこのあたりで頭が痛くなってきた。といっても精神的な悩みではなく、肉体的な痛み、つまり頭痛がひどくなってきたのである。この1週間、風邪気味だったこともあるのだろうか。明らかにウイルスが活動している兆候である。これは早く帰って休まなければならない。
というわけで、この時点で、今日中に源流まで行くことをあきらめ、帰途につくことにする。
61 暢気父橋から上流を望む 62 山之神社
御殿場プレミアムアウトレットからバスに乗って帰ろうと思ったが、鮎沢川からは、橋が見えるだけで入り口はわからなかった。地図をみると、斜面と高速道路で分断され、こちら側からは行けないようである。結局西側から大きく遠回りをして、
御殿場プレミアムアウトレット
に着いた。ここは、昔は遊園地であったが、今は、大規模アウトレットの先駆けとして人気を集めているらしい。
63 御殿場プレミアムアウトレット 看板 64 バスターミナル
入り口に、大きなバスターミナルがあり、御殿場駅はもちろん、東京方面のターミナルから直行便が出ている。駐車場を結ぶシャトルバスとあわせて、ごらんのように大変なにぎわいである。頭痛をおして、ちょっと中をみてみることにした。
65 御殿場プレミアムアウトレット その1 66 御殿場プレミアムアウトレット その2
富士山と箱根の雄大な山々をバックに、都会的なブランドショップが並び、都会から来た人々でにぎわうぶ光景は、なかなかの異次元空間、非日常的光景を作り出している。この遊園地跡地に目を付けた人はなかなかの慧眼であるといえるだろう。観光地の帰りに寄ってみるというパターンも十分期待できる。
ちなみに、写真は顔が写らないよう、人物を避けて撮影しているので、実際は写真よりもずっと賑やかなのである。
西地区を一回りして、先ほど下から見上げた橋を渡って、東地区に行ってみる。「頭痛はどうした?」というつっこみは無視して橋を渡る。
67 御殿場プレミアムアウトレット その3 68 夢の大橋入り口
69 橋から見た観覧車 70 橋からみた地蔵川下流
71 御殿場プレミアムアウトレット その4 72 御殿場プレミアムアウトレット その5
こちらも盛況である。実はここには、かなり昔に数回来たことがあるが、その時よりもショップも人も増えているような気がする。
73 御殿場プレミアムアウトレット その6 74 御殿場プレミアムアウトレット その7
75 大きな犬 76 御殿場プレミアムアウトレット その8
もう一つ、気が付いたことは、やたらと犬をつれた人が多いことである。ミニチュアダックスやヨークシャーテリアなどの小型犬がほとんどだが、その中で写真75のセントバーナードはその巨体がひときわ目立っていた。
77 御殿場プレミアムアウトレット その9 78 御殿場プレミアムアウトレット その10
御殿場プレミアムアウトレットから
御殿場駅
まで、シャトルバスに乗って帰った。
今日は、酒匂川の静岡県側の呼び名である鮎沢川の中流域を歩いたが、これだけ上流にきても、水質や河川環境が良くなっているという感じはしない。ただ、途中で河川が合流するため、水量はなかなかのものである。駿河小山はその豊かに流れる鮎沢川を挟んで広がっている町である。川を歩きながら、時々、突然現れる富士山をみることができるのは、なかなか爽快である。
今回は、体調不良のため源流にまでは至らなかった。次回は体調を整え、いよいよ、富士山麓の源流を目指したい。
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