海岸線をどこまでも西へ   海岸線を徒歩で忠実にたどり、そこに何があるかを見届けたい
◆第2日目(2013年7月7日) 網代駅 〜 伊東駅     

 前回は1月だったが、半年ぶりに伊豆半島の足跡を進めよう。今日の伊豆半島の天気予報は、晴れ時々曇り。梅雨の晴れ間かと思ったら数日前に関東甲信越地方は梅雨明けしたらしい。例年よりずいぶん早い気がするが、まあそれはいいとして、梅雨が明けると夏である。当然ながら、暑い。日中歩き続けるのは体によくないが、まだ夏が始まったばかりなので、海水温はそれほど高くないはずである。内陸部と違って、伊豆は海洋性気候だし、風もあるだろうから、それほど気温は高くならないはずだ、という楽観的予想のもとに、出かけることにした。

 熱海駅で8時25分発の普通列車に乗ると、それは、黒い電車だった。黒船電車というらしい。少し古びてはいるが、リゾート鉄道ならではの豪華車両である。車内の座席配置がユニークで、なんだか楽しくなってくるシートだ。

  1 熱海からの伊豆急黒船電車内            2 網代駅に着いた黒船電車
   

 そして黒船電車は、8時37分に網代駅に着いた。熱海駅からあっというまである。まあ、ここは熱海市なので当然なのだが。

    



  3 網代駅                      4 水神橋
   

 駅前から海に向かって流れている小さな川を渡る。水神橋という橋の銘版には古そうな表記で「二級国道下田小田原線」とあった。旧国道135号線なのだろう。現在の国道は海岸線を走っている。国道を渡ると網代漁港である。

  5 二級国道銘版                   6 網代漁港
   

  7 網代漁港魚市場                  8 網代漁港から対岸を望む
   

 漁港を東に向かい、堤防の上に上がる。

  9 防波堤の上へ                   10 干物製造中
   



  11 堤防上を東へ                  12 新道との交差点
   

 旧道にでてしばらく歩くと、写真12で新道にぶつかる。旧道はそのまま直進しているが、車両は通行止めになっているようだ。新道は海にせり出して、橋でカーブしながら右に回り込んでいる。

  13 新道を渡って旧道へ               14 旧道から海側の新道を見る
   

 歩行者・自転車専用道になっている旧道は車線の半分がすでに自然に還っているが、隧道は立派に健在である。

  15 網代隧道                    16 隧道内部
   

 隧道の中は涼しくてホッとする。

  17 隧道を出る                   18 伊東側の隧道入口
   

 新道と合流した後は、そのまま国道を歩くしかない。

  19 網代長谷観音入口                20 初島を望む
   



  21 かろうじてある歩道               22 リゾートマンションと土産物屋
   

 23 国道135号線から初島を望む


 絶好のロケーションにあるコンビニには、バイクや車で伊豆に向かう人達が大勢寄っているようだ。しかし、ここから歩道がなくなって少しガッカリである。

  24 コンビニ                    25 歩道が途切れる
   



  26 伊東市                     27 御石ヶ沢標識
   

 9時55分、熱海市から伊東市に入る。ここは、御石ヶ沢というところらしい。石の産地である。
 そしていよいよ歩くスペースもなくなった。落石防止工事らしい。意を決して突っ込む。対向車はスピードを出しているので、かなり危険である。隧道の入り口まで来て中をみると、狭いながらも歩道があったのでホッとして中に入った。この時は、危機を脱したことで冷静な判断ができなかったが、実は、ここから海側に旧道があったのだ。すっかり失念して、ひたすら隧道の中を進む。時間の節約にはなったかもしれない。

  28 落石防止工事                  29 新宇佐美隧道内部
   



 隧道をでると、もう宇佐美海岸が眼下に広がっていた。

  30 隧道出口                    31 国道135号線から宇佐美海岸を望む
   

  32 宇佐美海岸へ                  33 国道から左折する
   

 地図によると、写真33の地点を左折して路地を下ると、海岸にショートカットできるらしい。

  34 宇佐美海岸へ降りる               35 路地を抜ける
   



  36 宇佐美海岸 その1               37 宇佐美海岸 その2
   

 宇佐美海岸である。もう、泳いでいる家族連れがたくさんいる。

  38 宇佐美海岸 その3
      

 39 宇佐美江戸城石丁場遺跡解説板


  40 江戸城石丁場遺跡                41 宇佐美海岸南端
   

 江戸城を見たときのことを思い出した。ここから遥々船であの巨石を運んだのである。



 北緯35度の街だと書いてあった。GPSをみると写真43のとおり本当だ。北緯35度上にある街はどこだろうか。気になったので調べてみた。日本列島の一番東は千葉県である。内房は館山、外房は千倉だった。西伊豆は戸田の北だ。そして西へ向かうと、名古屋港、琵琶湖南端、中国山地を経て、山陰の江津を経て対馬海峡から韓国へ続いている。世界に目を向けると、中国、インド、アフガニスタン、イラン、ギリシャと、ヨーロッパへ向かう。そして、アルジェリア、チェニジアは何とアフリカである。アメリカは、西海岸はカリフォルニア州、内陸部ではテネシー州の州境になっており、東海岸はノースカロライナ州で大西洋に続く。思わぬ形で北緯35度線世界一周をしてしまったが、先に進もう。

  42 北緯35度線上の街宇佐美             43 GPSによる緯度
   

 宇佐美海岸を振り返ると、美しい弧を描いていた。

 44  北緯35度地点から宇佐美海岸を望む


 岩場になった。

 45 岩礁地帯

  46 海辺の祠                    47 伊東市街へ
   

 パームツリーが現れると、よく知られた、ホテルが見えるトロピカルムードになってきた。

 48 パームツリーの国道



 49 サンハトヤ

 パームツリーに夏の日差しが強烈に降り注ぐ。数日前に突然梅雨が開けてしまい、暑くなることはわかっていたが、冒頭に書いたように、まだそれほどでもないだろうと思ったのが、誤算だった。暑さのために頭痛がする。熱中症で倒れたら、救急車の中で理由を聞かれて、世の中の笑いものになってしまう。今日は長距離は無理だろう。川奈か富戸あたりまで行こうと思っていたが、無理である。伊東で終わりにすることにした。
 ちなみに、今日の伊豆の最高気温の記録を調べると、網代で33.3℃、稲取で31.2℃、石廊崎で25.4℃だった。南へ行くほど気温が低くなっていて、なんと網代と石廊崎では、7.9℃も差がある。やはり海水温がまだ上がっていないので、海に囲まれるほど涼しいのだろう。

  50 サンハトヤエントランス             51 湯川終末処理場
   

  52 下水道掘削機?                 53 伊東マリンタウン
   

 道の駅にもなっている施設についた。マリーナやスパも併設されている。アイスを食べたくなったが、頭痛がひどくなりそうなのでやめた。

 54 伊東マリンタウンヨットハーバー 

  55 伊東マリンタウン その2            56 伊東マリンタウン その3
   

  57 伊東マリンタウンスパ              58 伊東駅へ
   



 59 伊東沖


 なぜか伊東沖には帆船が浮かんでいる。雲の形が夏の到来、すなわち太平洋高気圧の存在を告げて清々しい。

 60 海辺の庭


 61 伊東駅入口



 海の家の準備も進み、もうすっかり夏のハイシーズンの始まりを告げている伊東海岸である。時間はまだ12時20分であるが、国道135号線を右折して、伊東駅に向かった。

  62 伊東海岸                    63 伊東駅
   

  64 伊豆急列車内
   


 ラッキーな事に、伊東駅からの帰りもリゾート列車に乗ることができた。

 GPSによる本日の歩行経路


(本日の歩数:22886歩)           

 夏の伊豆東海岸の序章、熱海市南部から伊東市へ向かう海岸線を軽く歩いた暑い日であった。次回、伊東駅に降り立つのは涼しくなってからになるだろう。

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