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◆第12+1日目(2008年3月16日) 大師橋〜品川駅
突然のインスピレーションから2ヶ月半、ついに日本の首都、東京へ足を踏み入れることになった。東京の海岸線は、川崎と違って全てが工業地帯というわけではないが、全部埋め立て地であり、非常に複雑である。いわゆるウォーターフロントとして脚光を浴びているが、空港や埋め立て中の島など一般人が立ち入れないところも多い。
下の航空写真を見ていただくとわかるとおり、東京都の臨海部は羽田空港から葛西臨海公園(右上の2つの三日月型の人工海浜のあるところ)までで、以外と距離はない。しかし、自動車専用の海底トンネルで結ばれていたりして、歩く場合には、複雑なルートを慎重に選ばないと、埋め立て地で立ち往生になりかねない。湾岸道路を歩くわけにもいかない。
google
map より転載
京浜急行大師線、産業道路駅で降りて、大師橋に向かう。最近架け替えられた美しい吊り橋だ。いよいよ、神奈川県と東京都の境界を越える。
1 産業道路駅 2 大師橋
多摩川の下流は川幅もかなりのものである。いよいよ、帝都東京に突入である。とはいっても、多摩川を渡るとそこは大田区であり、写真4のとおり、工業都市として発展している川崎側よりもむしろのんびりした、下町、漁師町といった風情である。写真3でも、むしろ左側、川崎の方が建物が高い。
3 大師橋から上流を望む 4 大師橋袂の舟溜まり
5 大師橋を東京都側から望む 6 多摩川と漁船
7 羽田地区から河口方面を望む 8 弁天橋と大鳥居
のんびりした海岸線を下ると、やがて大きな鳥居が見えてきた。解説版によると、羽田と空港を見守ってきた証人らしい。
9 大鳥居 10 大鳥居解説板
殺風景な埋め立て地を羽田空港へ向かう。空港は沖合に移転して、現在、跡地の再開発が行われている。やがて、モノレールが地上に顔を出す。
11 空港へ向かう道 12 モノレール
レーダー塔を過ぎると、道は左にカーブしてトンネルに入る。トンネルの上は滑走路になっており、写真14のようなシーンが見られることになる。大きな機体が、結構な急角度で上昇していくことがわかる。
13 レーダー塔施設 14 羽田空港トンネル入口
トンネルを出ると、飛行機の整備工場があり、さらに行くと、黒っぽい飛行機が駐機していた。いよいよ空港内部に入っていく。それにしても、徒歩で羽田空港に来るバカも私くらいのものだろう。実は、徒歩では入れないのではないかと心配していたが、途中少し強引な突破をしたものの、入れないこともなかった。防災上も徒歩で出入りできるようにしておく必要はあるだろう。
ちなみに、羽田の正式名称は、東京国際空港である。余談だが、成田の正式名称は新東京国際空港だと思っていたが、千葉県にあるので、成田国際空港と改名されてしまったらしい。羽田の東京国際空港という名前の方がどう考えても立派である。将来の羽田の本格的な国際空港化を睨んでいるのだろうか。正直、神奈川県や都心から成田は遠すぎる。
15 JALメンテナンスセンター 16 南ウイングに駐機する飛行機
羽田空港は、ビルが2つに分かれており、JALが第1、ANAが第2である。間違える人も多いだろう。
17 空港第一ビル 18 バス乗り場
19 第2ビル方面を望む 20 第1ビル内部
空港ビル内に入る。吹き抜けのロビーを見ながら、エレベーターで最上階に行く。屋上に出て、飛行機を見ながら休憩した。
21 上から吹き抜けを見下ろす 22 屋上
23 屋上から飛行機を見下ろす 24 屋上から第2ビル方面
飛行機に乗ってどこかへ行きたい衝動を抑えて、帰路につくことにする。といっても、歩いて戻るのも大変なので、久しぶりにモノレールに乗ることにした。京浜急行が空港に乗り入れてからは、すっかり利用する機会が無くなってしまった。車内は空いている。
25 東京モノレール羽田空港第1ビル駅 26 モノレール車内
先ほど苦労して歩いた道を、モノレールはあっという間に通り過ぎていく。高架の車窓からは、おなじみの川崎の工業地帯とアクアラインに続く高速道路が見える。やがてモノレールは天空橋駅に到着するが、降りる人はほとんどいない。
27 モノレールから川崎市方面 28 天空橋駅ホーム
写真29の天空橋駅の建物はジェット機のエンジンをモチーフとしているそうだ。地上に出ると、消防署があった。縁起でもないが、もし、飛行機が炎上すると、この消防車が出動するのだろうか。それとも空港内に常駐しているのか。
29 天空橋駅 30 蒲田消防署空港分署
弁天橋を渡ると、お地蔵様がいる庶民的な町に帰ってくる。しばらく運河沿いを歩く。
31 弁天橋から品川方面を望む 32 駅前地蔵尊
駅名にもある天空橋とは、空港にピッタリのネーミングであるが、橋は鉄製の無骨な橋である。
33 天空橋 34 稲荷橋
穴守橋から先は運河沿いの道がないので、内陸側に入ると日航のホテルがあった。乗務員や運行に支障があった場合の乗客宿泊用のような感じである。もちろん、早朝や深夜便の乗客も泊まるだろう。
35 穴守橋 36 HOTEL JAL CITY HANEDA
しばらく、大田区内の狭い道路を歩く。日本の技術を支える町工場もまだまだ残っている。
37 旭橋 38 北前橋から運河跡、海岸方面を望む
39 典型的な大田区の町工場地帯 40 旭橋から海岸方面を望む
大田区内には写真38や41のように川を埋め立てた場所がいくつか見られる。写真42は、もうあまり見られない感じの建物で思わず写真に撮ってしまった。昭和のチープな感じが懐かしい。
41 旧呑川跡地 42 懐かしい建物
大森東避難橋から海というか運河に出る。久々に広々した景色である。それにしても、避難橋とは、わかりやすい名前ではあるが、普段使う名称としてはどうだろうか。
43 大森東避難橋から羽田方面を望む 44 大森東避難橋から品川方面を望む
橋を渡ると昭和島である。地図で見るとそれほど大きくない。埋め立て完成は1967年だそうである。
45 昭和島南緑道公園 46 首都高羽田線
南海橋を渡ると、平和島である。完成は同じ1967年だが、現在は大森地区と陸続きである。下の地図を見ると、おそらく運河の埋め立てによって、平和の森公園が出来、陸続きになったのではないかと想像できる。首都高のジャンクションがあり、モノレールの駅も見える。
47 南海橋からふるさとの浜辺公園方面を望む 48 平和島
49 東京モノレール流通センター駅 50 大和大橋
大和大橋という名前も実物も大きな橋を渡ると、品川区である。東京湾側は大井埠頭であるが、こちら側の京浜運河沿い側は、のんびりとした遊歩道が続いている。
51 大和大橋から品川方面を望む 52 大和大橋
53 大井中央海浜公園緑道その1 54 新平和橋
東京の真ん中とは思えない、気持ちの良い緑道が続く。釣りをしている人はあまり見かけなかったが、禁止されているのだろうか。
55 大井中央海浜公園緑道その2 56 大井中央海浜公園緑道その3
人工渚に到着する。外国人も、日本人もバーベキューをしている。楽しそうだ。一緒に参加して、エビを頬張りながらビールを飲みたいが、もちろん叶うわけもない。
57 「はぜつきいそ」付近のバーベキュー 58 夕やけなぎさ
59 夕やけなぎさから対岸を望む 60 なぎさの森
このあたりの砂浜と森は人工的なものであろうが、一部、保護区として、立ち入りが禁止されている。野鳥も多いのだろう。対岸は大井競馬場である。
61 自然観察舎 62 大井競馬場前駅
63 勝島橋 64 京浜運河緑道公園
まだ、運河沿いの緑道は続いている。吊り橋が見えてきた。
65 かもめ橋 66 かもめ橋近景
かもめ橋を過ぎると、対岸に日本経済と東京の繁栄を象徴する高層ビル群が現れる。かなり印象的な風景だ。
67 京浜運河とビル群 68 八潮橋遠景
69 八潮橋と対岸の高層ビル 70 京浜運河を行く観光船
緑道が終わり、若潮橋を渡ると品川埠頭である。こんなところに新幹線が走っているが、スピードは妙に遅い。実は、大井にJR東海の新幹線車両基地があり、そこへ向かう連絡線が通っているのである。
71 水道橋? 72 若潮橋から見た新幹線引き込み線
73 若潮橋から品川方面を望む 74 警察船
京浜運河も都心に近いこのあたりは、観光船、ジェットスキーや警察の船が行き交い結構にぎやかである。
75 京浜運河を行くジェットスキー 76 品川埠頭橋
ここで、品川埠頭から天王洲アイル方面に入る。元々は名前の通り、砂州であり、倉庫街であったものが再開発されたのが天王洲アイルだそうである。
77 品川埠頭橋から北方面を望む 78 天王洲アイル
79 天王洲アイルスフィアタワー
80 天王洲アイルから対岸を望む 81 天王洲大橋と天王洲運河水門
運河沿いにボードウォークがあり、家族連れや若者がくつろいでいる。
82 天王洲アイルの運河沿い遊歩道その1 83 天王洲アイルの運河沿い遊歩道その2
84 天王洲アイルビル群 85 天王洲運河の海岸方面を望む
運河の突き当たりには、倉庫を改造した感じのレストランがあった。典型的なウォーターフロント再開発である。パワーボートでこの
T.Y.HARBOR BREWERY RESTAURANT
に乗り付けて、優雅にディナーでも食べてみたいものだが、おそらく単なる夢想に終わるだろう。
86 ふれあい橋 87 運河沿いのレストラン
ふれあい橋を渡ると、東京海洋大学である。もう品川駅も近い。こうして歩いてみると、天王洲アイルと品川駅は実は非常に近いことがわかる。歩いてもいけそうな距離だ。
88 楽水橋 89 東京海洋大学
90 御楯橋から高浜運河を望む 91 品川駅港南口の通りから東京タワーを望む
品川駅に着いたが、この港南口は昔の品川駅を知っている人にとっては信じられないほどの変わり様だ。昔は長い通路を通ってたどり着くのが、どこの田舎の駅かと思うような貧相な駅舎であった。このサイトに昔の駅舎の写真があるので、見比べて欲しい。いまや、ここは東京、いや日本を代表するビジネス街である。
92 品川駅港南口の高層ビルその1 93 品川駅港南口
94 品川駅港南口の高層ビルその2
川崎市から東京に入った第一日目、埋め立て地が多く、苦労したが、空港、下町、工業地帯、運河、海浜公園、ビジネス街とダイナミックに変化するウォーターフロントをこの目と足で確かめることが出来た。東京湾に沿った、なかなか刺激的な旅であった。交通アクセスが発達しすぎて、普段歩くことのないところを歩いてみるのもおもしろいかもしれない。次は、いよいよ帝都東京の後半である。次回も、エキサイティングな旅になりそうだ。
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