海岸線をどこまでも 本州一周 (になるかもしれない旅)  房総半島九十九里浜を北上中
◆第12+20日目(2009年1月17日)  東浪見駅 〜 白子     


 前回、ついに九十九里浜に到達した。今日は、いよいよ九十九里浜を本格的に歩くことになる。
 東浪見駅に着いて海岸を歩き始めると、都市ガスのマンホールが目に付いた。そういえば、千葉県は天然ガスの一大産地であったことを思い出す。

 1 東浪見駅                    2 ガスのマンホール
   



 広い田圃を通り抜けて、海岸沿いの道路に出る。九十九里ビーチラインというらしい。写真3のようにサーフショップがあり、海岸の道には冬なのにサーファーの車が並んでいる。

 3 サーフショップ                 4 海岸への道
   

 5 一宮海岸 その1                6 一宮海岸から南方向を望む
   

 7 一宮海岸から北方向を望む           8 砂丘
   

 9 砂浜の十字架                 10 ヘッドランドとカゴ石の護岸
   

 ビーチと防砂林の間の砂丘の上に、木の十字架が立てられていた。ローマ字で名前が書いてあり、その下に 1978-2008 とかかれている。30歳の若さでだれかが亡くなったのだろうか。この海で死んだのか、それとも海が好きで海を見下ろすこの場所に十字架がたてられたのか。知らない人とは言え、胸が締め付けられるような感じがする。

 11 ベンチ                   12 砂浜に降りる階段
   

 さて、九十九里浜というと、60kmにも及ぶ弧を描いた長大な砂浜というイメージだが、実際は写真のとおり、突堤が並んでいて、細切れになっており、この砂浜の浸食が深刻であることがわかる。金属製のカゴに詰められた石が並べられ、工事現場と見まがうほどの惨状である。サーファーは写真12のように、ビーチに行くのに階段を下りていかなければならない。

 13 サーフポイント              14 シェルター?
   

 そうはいっても、寒いのにたくさんのサーファーがいるのはさすがである。

 15 ボディボーダー               16 砂丘のフラッグ
   

 何本ものヘッドランドが続く。

 17 ヘッドランド                18 一宮海岸 その2
   

 19 カゴ石が続く護岸              20 準備体操
   

 21 一宮海岸 その3              22 ヘッドランドから太東岬方面を振り返る
   

  23 ヘッドランドから一宮川方面を望む      24 芝生とベンチ
   



 海岸のもう一人の主役である釣り人がいた。しかし、九十九里浜では今のところ釣り人はあまりたくさん見えない。地形的に釣果は期待できないのだろうか。

 25 砂丘の谷間から               26 釣り人
   

 ここで久しぶりの建物を見つけた。海岸を延々と歩き続けてきたので、人の気配がうれしい。近づいてみると、地引き網の小屋であった。

 27 海岸の小屋                 28 地引き網の小屋
   

 駐車場があり、にぎやかになった。ここが一宮海岸の中心地らしい。
 駐車場の一角にレッカー車が止まっていた。工事でもしているのかと思ったら、どうやら軽自動車が砂に埋まってスタックし、救援に来たらしい。レッカー車のおじさんは、たんたんとワイヤー牽引の準備をし、軽自動車の運転手らしい若者は、所在なげに腕を組みながらそれを眺めている。お互いになにも会話がないのが痛々しい。

 29 一宮海岸標識               30 脱出不能になった軽自動車
   

 駐車場では、家族連れのサーファーが車で着替えたりくつろいだりしており、ちょっとしたお祭り状態になっていた。この子たちも大人になって、子供を連れて、将来またこの海に来るのだろうか。

 31 木柱                    32 着替えでにぎわう駐車場
   

 ここでは、浸食がひどく、写真34の部分では砂浜がほとんど消失している。九十九里浜がコンクリートの護岸に変わる日が来るのだろうか。

 33 鉄板がひかれた海岸            34 浸食により砂浜が消失した海岸
   

 

 35 一宮川河口                 36 河口付近から対岸を望む
   

 そうこうしているうちに、大きな川の河口にたどり着く。一宮川である。河口には橋がないため、地図のとおり、内陸の橋まで大きく戻らなければならない。河口はごらんのように広く、対岸も美しい景色である。

 37 対岸の浄化センター            38 芦原の向こうにみえる家
   

 39 新一宮大橋                 40 新一宮大橋から上流を望む
   

 41 新一宮大橋から下流を望む

 芦原が広がり、野鳥たちの楽園でもある。

 42 民家?会社?                43 水鳥の群れ
   



 44 九十九里荘                45 床屋さん
   

 海岸沿いには、九十九里浜有料道路が続いているが、自動車専用だと思うので内陸部の一般道を歩く。

 46 空き屋                  47 臨海荘
   

 48 バー                    49 湿地帯に広がる芦原
   

 広大な湿地帯が広がっている。開発されずによく残ったものだ。

 50 湿地帯の水路                51 長生浄化センター
   



 このあたりも湿地帯であったのだろうが、現在は埋め立てられてグラウンドになっている。その先は、宗教法人の所有になり、写真53以降の空き地になっている。大学予定地と書いてあった。

 52 海岸への道                 53 大学予定地 その1
   

 空き地の所々に、写真54のようなパイプが埋め込んである。おそらく、天然ガスのガス抜き孔ではないかと想像するが本当のところは不明だ。

 54 大学予定地 その2              55 大学予定地 その3
   

 それにしても広大な敷地だ。これだけの貴重な海岸の後背湿地が埋め立てられ失われたのは、残念ではあるが、湿地のままではなにも利益を生み出さないのも事実である。行政や住民が、この土地に保護するだけの価値を認めなかったのだから仕方がないことではある。

 56 水路 その1                57 大学予定地 その4
   

 58 水路 その2                59 水路 その3
   



 それでも、まだ湖沼の一部は残っている。なかなか美しい景色だ。

 60 河口方面を望む               61 九十九里浜有料道路
   

 道路の下を通って海岸に出る。砂浜の崩落により危険なので立入禁止という看板があったが人がいるので進んでみる。

 62 有料道路沿いの水路             63 砂浜崩落の復旧工事現場
   

 工事のじゃまにならないよう、砂浜の後ろ側を通る。重機が入って本格的な復旧工事をしていた。写真65は、作業員の方が金網のネットの中に石を詰めているところである。これを砂浜に並べるのだろう。

 64 工事掲示板                 65 工事現場裏側
   

 一松海水浴場に到着した。駐車場があり、子供が遊んでいる。

 66 一松海岸 その1              67 海岸で遊ぶ子供
   

 おじさんがタコ糸の先に網のようなものをつけて海に放り込んでいる。何の漁だろうか。この日は別の場所でもこのような人を何人か見かけた。ある人は、魚の切り身をたくさん用意していた。餌なのだろうか。
 帰ってから調べてみると、どうもカニを捕っているらしい。おじさんが投げ込んでいるのはおそらくコレではないだろうか。

 68 カニ漁?                    69 一松海岸 その2
   



 70 白子海岸方面を望む


 71 ガス会社の排水施設占有許可掲示板      72 排水施設
   

 砂浜の真ん中に奇妙な施設があった。下水道の排水口かと思ったが、ここまでの放水路がない。近づいてみると、ガス会社の施設らしい。水がコンクリートの水槽から少しずつ放流されている。推測だが、これは、地下水から天然ガス(とヨード)を取り出した後の排水ではないだろうか。会社のホームページによると茂原あたりに事業所があるようだ。

 73 施設からの排水               74 遠浅の海
   

 75 貝殻が散在する浜              76 美しい貝殻
   

 浸食が著しい海岸をみてきたが、白子海岸にはいるとさっきまでのやせ細った砂浜が嘘のように広い砂浜である。

 77 広い砂浜                  78 太東岬方面を望む
   



 79 海岸動植物保護の解説板


 80 砂浜の落書き                81 砂遊びをする親子
   

 白子は、海岸に高い建物がいくつか並んで、観光地らしい雰囲気になる。白子で太平洋に注ぐこの川は、南白亀川と書いて「なばきがわ」と読むらしい。珍しい名前である。やはりウミガメに関係した名前なのだろうか。

 82 南白亀川を渡る九十九里有料道路       83 南白亀川河口
   

 今日はまだ日が暮れていないが、何しろ北風が強く、寒さと向かい風で閉口した。今日はここまでにしよう。

         本日の天気図 (日本気象協会 tenki.jp)
    

 84 白子町アクア健康センター          85 ステーキ屋さん 
   

 海藻を運んでいた漁師さんに、バス停の場所を聞く。教えてもらった白子車庫の直前で、発車したばかりの茂原行きのバスとすれ違う。1時間待ちかとがっかりして車庫に行くと、大網行きのバスが待っていた。10分後の発車なので、大網経由で帰ることにした。

 86 白子駐在所                 87 白子車庫
   

 始発なので、バスは貸し切りである。

  88 大網行きバス車内            89 大網駅前
   

 大網駅周辺は思ったよりにぎやかであった。
 九十九里浜の2日目、今日はずっとビーチを歩いたが、東浪見から一宮までは、砂浜の浸食の深刻さが目立った。一宮川の河口周辺は湿地帯が残っており、美しい風景が楽しめる。長いビーチトレイルに変化を与えてくれる景色であった。
 九十九里浜はまたまだ先が長い。次回ものんびりと楽しみながら歩き続けよう。

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