狩 野 川 探 訪

 伊豆天城山の山中を源流として北へ流れ、修善寺を経て柿田川を合流し、沼津で西向きに流れを変えて駿河湾に注ぐ美しい河川だが、その名を有名にしたのは昭和33年に来襲し多くの犠牲者を出した狩野川台風である。
◆第2日目 (2009年11月21日) 伊豆長岡駅(静岡県伊豆の国市)〜修善寺駅(静岡県伊豆市)

 狩野川の2日目である。富士山を背負っての遡上であったが、今日は伊豆長岡駅からの出発である。狩野川は、交通の便が良いことも特筆されるだろう。伊豆箱根鉄道が判走してくれるのはありがたいものだ。

  1 伊豆長岡駅                     2 千歳橋左岸から上流に続く道
   



 広々とした河川敷の景色が続く。

  3 堤防の草刈り                    4 狩野川リバーサイドパークと富士山
   



 狩野川リバーサイドパークに着く。まだ新しい公園のようだ。芝生の公園から見える富士山が美しい。

  5 リバーサイドパーク その1            6 リバーサイドサイドパーク その2
   

 やがて、前方に新大門橋が見えてきた。その橋の下は写真8のように網打場になっていた。

  7 新大門橋                      8 網打場
   

 その先は、大門橋である。

  9 網打場と大門橋                   10 大門橋
   

 11 大門橋から下流を望む                12 大門橋袂の石仏群
   

  13 小坂ひ門                     14 大門橋を振り返る
   

 のんびりした河畔をどこまでも歩いていく。

  15 伊豆の国市小坂付近                16 深沢川合流地点
   



 子どもたちが歓声をあげている。この環境の中でのびのびと育つ子どもたちが羨ましい。ベビーカーを押すお母さんの表情も実にやさしい。お供の白い犬がまたいい味を出している。

  17 河畔の親子連れ                  18 神島橋
   

 中流域になり、水量はやや減ってきただろうか。そして、前方には、川に覆いかぶさるように右から急峻な山が迫ってきた。

  19 神島橋から下流を望む               20 神島橋から上流を望む
   



 山の直下を通る。城山である。

  21 城山下の道                    22 城山登山口
   

  23 城山案内板

 ハイキングコースになっており、駿河湾まで抜けられるようだ。

 24 城山解説板                     25 子育地蔵 その1
   

 赤い旗が立っている石仏群が現れた。子育地蔵というらしい。解説板を読んで納得だ。

  26 子育地蔵解説板
   

 解説板の横には、写真27のように、立派な石に詳しく使用方法が書かれているのだが、それを読んで、あまりにも素朴で具体的な指示があるのには、笑ってしまった。たしかに、初めての人でもこれを読めば迷うことはないだろう。この互助会的なシステムは現在も立派に機能しているらしい。小さなお地蔵様を手にとってみた。子どもが欲しい時には、これを借りて家に祀るのだ。この少子化の時代、小さなお地蔵さまがたくさん増えることを願うばかりである。
 先ほど河畔で出会った子どもたちも、このお地蔵さまの世話になったのだろうか。

  27 子育地蔵使用方法?
   

  28 子育地蔵 その2                 29 城山
   

 そして、後ろの空を振り返ると、城山がその迫力ある勇壮な姿を見せてくれていた。

  30 城山と富士山                    31 狩野川大橋から下流を望む
   



  32 狩野川大橋                        33 新狩野川大橋
   

 狩野川大橋を対岸に渡り、右岸に移る。大仁駅が近く、少し賑やかな街並みだ。

  34 大仁駅付近の伊豆箱根鉄道                 35 大仁橋
   

 大仁橋は最近架けかえられたらしい。立派な橋である。

  36 旧大仁橋の架橋跡                     37 大仁橋から下流を望む
   

  38 大仁橋から上流を望む                  39 レストラン
   

 この橋から見る城山と富士山は素晴らしく、少し見とれてしまった。橋の赤い色が良いコントラストになっている。

 40 大仁橋と城山と富士山

 この橋から上流は、美しい歩道が整備されている。



 美しい河畔の道は実に気持ちが良い。

  41 河畔の休憩所                       42 伊豆市瓜生野付近
   

 大きな塚のような場所があったので見てみると、釣りに関する碑であった。ここ、狩野川は鮎の友釣りの発祥地でもあるらしい。
 その横を自転車に乗った若い女性が歓声をあげながら通り過ぎていった。そのあまりにも明るく屈託のない声は、まるでウーロン茶のCMそのものである。それもそのはずで、なんとこの子たちは中国人であった。

  43 日本友釣同好会狩野川顕彰碑               44 ススキと対岸
   

 散歩やジョギングの人達とすれ違いながら、しばらく行くと、先程の若い中国人女性グループがいた。何をしているのかと思ったら、土手で植物を採っている。ニラのようだ。自生しているとは知らなかったが、調べてみるとどうも中国から入ってきたらしい。それにしても、今の若い日本人には絶対にありえない行動である。休みの日に、サイクリングを兼ねてニラを取りに行くという、いかにも中国人らしい素朴な楽しみをみて、微笑ましく思うとともに、日本人が忘れてしまったものがそこにあるような気がした。

  45 河畔のベンチ                      46 若い中国人女性グループ
   

 修善寺橋の手前には、大きな露天のお地蔵様がいた。解説板によると鎌倉北条氏との縁が深いらしい。

  47 修善寺橋                         48 横瀬愛童将軍地蔵
   



  49 修善寺橋から下流を望む                  50 修善寺橋から上流を望む
   

 修善寺橋を渡ると、タヌキが出迎えてくれる。観光客で賑わう修善寺駅はすぐである。

  51 修善寺橋のタヌキ                    52 修善寺駅
   

 ちょうど12時である。帰りの電車の時刻を確認し、珍しく妻が作ってくれたサンドイッチの昼食を食べる場所をさがそうと思い、駅に寄ったのだが、30分後に発車する踊り子号が停車していた。まだ、誰も乗っていないが、なぜか突然これに乗って早く家に帰りたい衝動にかられて、切符を買ってしまった。
 サンドイッチは車内で食べることにしよう。

  53 特急踊り子号                       54 踊り子号車内
   

 今日は予定を切り上げて、半分しか歩かなかったが、まあ、こんな日もあるだろう。今日の行程は、どこものんびり歩けるが、特に城山から修善寺にかけての景色は素晴らしいものがあり、河畔の道も整備されている。
 次回は、修善寺から源流を目指して上流域に分け入っていくことになる。

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