入笠山 (にゅうかさやま) 積雪期 標高1955m 登山開始地点標高1780m

     自分の足で登らない山シリーズ第21弾 南アルプスの北端に位置するゴンドラで登れる山 雪山編
  
◆ 2014年3月12日

 
高尾山、鎌倉アルプス、筑波山と続いてきた、白一色の景色はやっぱりいい。んでもって、雪山シリーズの第4弾は、2013年5月26日に訪れた標高1955mの入笠山の再訪だ。スキー場なので雪はたくさんあるし、ゴンドラでかなりの標高を稼げるし、なにより雪があっても初心者でも登れる入門用の山で安心である。素人と子供が一人前になっていない親は、ピッケルの必要な山に行ってはいけないのだ。
 前回は頂上からの展望も霞んでいまいちだったので、寒い時期なら大丈夫だろうという魂胆である。



 八王子から特急あずさに乗る。前回と違うのは、富士見駅に降りるとホームに雪があったことだ。

  1 富士見駅に着いたあずさ3号             2 富士見駅
   

 マイクロバスが、スキーシーズンの富士見パノラマリゾートに着いた。入笠山は、スキー、スノーボードはもちろんだが、スノーシューによるトレッキングも有名である。ということは、スノーシューがないと登れないほどの雪の量と質なのか、と不安をもっていた。しかし、スノーシューのレンタルがあることがわかったので、必要ならば現地で借りればいいや、と思って来てみたのである。
 インフォメーションで、状況を聞いてみる。アイゼンでも登れるとのこと、スノーシューは必需品ではないようだ。

  3 富士見パノラマリゾート              4 山麓駅の情報
   

 山頂駅の気温は、0℃と書いてある。



  5 ゴンドラで登る
     

 ゴンドラを降りると標高1780mである。空が青い。

 6 山頂駅前のゲレンデ


 10時48分、いよいよゴンドラ山頂駅を出発である。

  7 登山口付近
     

 雪が深く、かなり足が潜るので、体力を消耗する。

  8 入笠湿原入口                   8−2 2013年5月26日撮影
   

 前回の春の写真と比べてみる。木の橋が雪でかなり埋まっているのがわかる。



 9 入笠湿原 その1


 白一色の冬の湿原である。湿原では、スノーシューのツアーが行われている。トレース以外のバージンスノーのところを歩きまわるのには、スノーシューが必要だということがわかった。

 10 入笠湿原 その2


 10−2 2013年5月26日撮影             11 入笠湿原出口
   

 すっかり埋まってしまった鹿よけの柵の横を抜けて、湿原に別れを告げる。

  12 御所平へ その1                13 御所平の斜面 その1
   

 見覚えのある御所平の地形だ。スノーシューのコースが続いていたので、アイゼンだと大変かと思って、右上の登山道に登ることにした。雪がなければ問題ない道も、写真14の斜面では、苦労した。写真14−2の左側に写っている斜面である。

  14 御所平の斜面 その2              14−2 2013年5月26日撮影
   

 斜面で太ももまでハマってしまい、ちょっと焦ってしまったが、手も使って体重を分散させながら、なんとか上の登山道まで辿り着いた。所によって雪質が変化し、チェーンスパイクの底が団子になったりする。

  15 雪に埋まる足                  16 入笠山へ その1
   



 17 入笠山へ その2                 17−2 2013年5月26日撮影
   

 頂上付近は意外と斜度があり、雪が乾燥しているため、滑って登りにくい。この斜度ではスノーシューでの登りは無理なようだ。別の緩斜面の迂回ルートがあるらしい。

  18 入笠山へ その2                18−2 2013年5月26日撮影
   

 19 入笠山へ その3

 樹木がまばらになり、斜度が緩んできたので、頂上が近い。

  20 入笠山へ その3                 20−2 2013年5月26日撮影
   



 12時ちょうど、雪の入笠山山頂に到着である。春の写真と比べても、頂上は風が強いので積雪が少ないのがよくわかる。

  21 入笠山山頂 その1               21−2 2013年5月26日撮影
   

  22 入笠山山頂 その2
     

 風紋がキレイだ。しかし、春が近いのか、やや霞がかかっていて空の透明度がすこし少ない感じである。山々もすこし霞んでいる。

 23 山頂から八ヶ岳を望む


 しかし、前回見えなかった、甲斐駒ケ岳など南アルプスはよく見える。富士山は今日は残念なようだ。若者のスノーシューツアーのグループがきて歓声をあげている。

 24 山頂から南アルプス方面を望む


 24−2 2013年5月26日撮影


 25 入笠牧場方面を望む


 写真26の上のほうに中央アルプスの山々がかすかに浮かんでいる。

 26 中央アルプス方面を望む


 27 北八ヶ岳、蓼科山方面を望む


 山頂はとにかく風が強く寒いので、頂上に長くいる人は少ない。ここでは、このために用意した秘密兵器を出すことにした。貧乏な人たち御用達のベストセラー、UNIQLOのウルトラライトダウンジャケットである。安売りで4980円という値段もあってか、登山では使えないという人もいるがどうだろうか。
 買ってから気がついたが、これを街で着ている人は非常に多い。年寄りとお金のなさそうな若者である。まあ、そんなことを気にする立場でもないので、山での防寒用にと買ってみた。安さもあるが、なにしろザックに入れておくのに軽くてコンパクトなのがいい。
 今日は、上半身は、ミズノブレスサーモモンベルサーマル ロングスリーブジップシャツノマドパーカ だが、急登では、ノマドパーカを脱いでも汗だくである。
 それが一転、頂上の強風に吹かれ、ものすごく寒い。飛ばされないように気をつけながらソフトシェルの上にユニクロダウンを着てみると、頂上での休憩も気にならない暖かさと軽さである。これは、良い。非常用も兼ねて、今後も携帯することにしよう。

  28 耐寒装備                    29 マナスル山荘へ その1
   



 帰りは、前回同様大阿原湿原まで行くかどうか迷ったが、マイナールートの雪の状態がわからないことと、無雪期の倍の時間がかかることを考えて、安全第一で、おとなしく、スノーシューでよく踏まれた通常コースを下ることにした。
 登山者は、アイゼンとスノーシューと半々くらいだが、スノーシューの人は急坂下りで苦労している。ここのような人の多い雪山では、メジャーなルートを歩く限りでは、スノーシューは必要ないばかりか、邪魔なように感じる。

  30 マナスル山荘へ その2             31 白樺? ダケカンバ?
   

  32 マナスル山荘へ その3             33 マナスル山荘前
   

  34 マナスル山荘
     



 林道を通って、再び湿原に戻ってきた。なんとも気持ちの良い風景である。

 35 入笠湿原 その3


  35−2 2013年5月26日撮影
     

 36 入笠湿原 その4

  37 ゴンドラ山頂駅へ
     

 時間が余ったので、ゲレンデから八ヶ岳の雄大な姿を、缶コーヒーを飲みながら暫くの間ボーっと眺めていた。

 38 山頂駅から八ヶ岳を望む

 無事降りてきた。甲府駅で買った地酒は売店のおばさんが車内で飲めるように紙コップをサービスしてくれた。味は、普通の日本酒だった。

 39 富士見駅から普通列車に乗る           40 甲府駅で地酒を買う
  

 雪山は、楽しいが危険も多い。初心者向けで、かつ、行ったことのある山だと安心感があって良いもんである。

(本日の歩数:15948歩)                        

関連サイト 入笠山 1955m 長野県伊那市/諏訪郡富士見町 2013年5月26日

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