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◆第10日目(2006年12月2日) 新杉田駅〜日本大通駅
新杉田駅に降り立った。いよいよ横浜中心部を目指して北上して行くことになる。
1 新杉田駅 2 横浜市交通局磯子営業所
市営バスの営業所をすぎて、写真3の運河のような川を渡る。上の地図でもわかるように、この川を遡ると途中から点線すなわち地下トンネルになっている。実はこれは大岡川の氾濫から横浜市中心部を守るための地下分水路である。では、大岡川側はどうなっているかというと、大岡川の紹介サイトの写真63〜65がその分水地点である。根岸線と水面との間隔があまりないように見えるが大丈夫なのだろうか。
3 根岸線 4 付近の銀杏並木
銀杏並木のマンション街を抜けると磯子駅である。磯子駅正面には丘の上に旧横浜(磯子)プリンスホテルの威容がひときわ目立つ(現地取材は2006年12月)。この大きな建物も2007年現在では取り壊されているらしいので、もう見ることは出来ない貴重な写真である。壊すくらいなら、一部屋くらいくれても良いと思うが、とにかくもったいないものだ。跡地はお決まりの高層マンションだろうか。
5 磯子駅 6 磯子駅から旧磯子プリンスホテルを望む
磯子駅前は、寂れているというわけではないが、活気にあふれているといったわけでもない。
7 磯子駅北側の歩道 8 磯子区付近の通り
線路沿いの広々とした道を行くと、写真9の地点でT字路に突き当たり、高速の下を通って海側に出たが、海岸線は見えず、また、国道16号線方面に戻る。途中には、大きなショッピングセンターがある。
このあたりの海は埋め立て地の工業地帯で市民には縁のないものである。磯子区の住民は海のすぐそばに住んでいながら、海を見るためには遙々金沢区まで行くはめになるのだ。本物の自然海岸を見たければ、三浦半島まで出かけなければならない。
9 湾岸高速道路 10 ヤマダ電気とニトリ
動物検疫所を過ぎると根岸飛行場跡だ。今は全く面影はなく、看板がなければここに飛行場があったとは判らないだろう。
11 農林水産省動物検疫所 12 根岸飛行場跡地
13 根岸飛行場跡解説板
14 根岸駅前 15 県立衛生看護学校
石油燃料を運ぶ貨物列車が根岸線を行くのが見えた。石油製品を作っているのはもちろん写真17の会社だろう。
16 根岸線高架 17 新日本石油根岸精油所
18 新日本石油前踏切 19 本牧方面分岐点
いよいよ本牧地区に入る。本牧は古くは断崖絶壁の景勝地、戦後はアメリカの占領地区であった。埋め立てられて、景勝地としての面影はもはや無い。アメリカからの返還は1980年代と比較的最近であったため、今でも日本離れした独特の雰囲気を漂わせている。横須賀基地周辺と並んで、日本でも有数のアメリカンテイストが濃い街だろう。日本で撮ったとは思えないような写真をごらんいただこう。
20 本牧通り その1 21 アメリカ坂
22 本牧通り その2 23 新本牧公園
24 本牧住宅地 その1 25 本牧住宅地 その2
旧米軍住宅地だけあって、一等地に(日本の住宅としては)敷地の広い豪邸が並ぶ。アメリカ軍人のごく普通の官舎の敷地が、返還されたとたんに超高級住宅に代わるというのも両国の力関係の差を見せつけられるようで考えさせられる。日本で一等地にこんな広い敷地の官舎を作ったら、国民からは非難轟々だろう。一戸建ては将校用だろうから、米軍は一般の兵士との身分の格差がはっきりしているのかもしれない。
26 本牧住宅地 その3
27 本牧通り その3 28 本牧通り その4
29 本牧通り その5 30 本牧通り その6
31 本牧通り その7 32 本牧通り その8
33 マイカル本牧 34 本牧通り その9
返還後、この街の再開発が行われ、マイカル本牧やホテルの建設が行われたが、それほどにぎわっているわけではなく、現在のところ成功したとは言い難い。
これほど開放的な異国空間をもつ街は珍しいので、それをもっとPRすればよいと思うが、一番のネックは交通の便だろう。はっきり言って陸の孤島である。
元町まで来ているみなとみらい線をここまで少し延長すれば、状況は劇的に変わると思うが、途中の商店街が反対しているらしい。残念なことだ。
35 山手警察署 36
本牧通り その10
本牧地区を抜け、山手警察署を過ぎてから、海沿いの道から外れて丘の上に向かう。山手の高台に通じるワシン坂という道である。
37 ワシン坂入口 38 ワシン坂上の山手高台からみたベイブリッジ
本牧も高級住宅地だが、ここ、山手地区もまた、超高級住宅地として有名だ。神奈川県でもっとも地価の高い住宅地である。写真39の教会ではセーラー服の女子学生をシスター?が迎えているという少女漫画のような場面に出会った。
39 教会 40 山手高級住宅街 その1
41 山手高級住宅街 その2 42 山手高級住宅街 その3
写真44の豪邸の表札に注目して欲しい。伝説的な元プロ野球のピッチャーか?????
43 横浜インターナショナルスクール 44 山手高級住宅街 その4
山手では、古い洋館めぐりも楽しい。その第1弾が写真46である。
45 外国人の父娘 46 山手111番館
場所柄、絵になる外国人も多い。写真47のお母さんは後ろの子供にかまわず一人で颯爽と歩いているのが印象的であった。
47 外国人の母娘 48 みなとが見える丘公園 その1
49 みなとが見える丘公園 その2 50 みなとが見える丘公園 その3
51 イギリス館(旧英国総領事公邸)
52 みなとが見える丘公園 その4 53 みなとが見える丘公園 その5
54 外国人墓地管理事務所 55 山手10番館
このあたりは、横浜でももっとも有名な観光エリアである。外国人墓地も観光スポットになっているため訪れる人は多いが、中にはいるためには寄付をしなければならない。
56 外国人墓地 57 山手資料館
場所柄教会も多い。
58 山手聖公会 その1 59 山手聖公会 その2
携帯電話が普及しても、この電話ボックスは残してもらいたいものだ。
60 街角に立つ電話ボックス 61 山手234番館 その1
洋館が並ぶ。明治、大正の外国人の家でも現代日本人の家よりずっと立派である。えの木邸は、元は外国人用の喫茶店だそうだ。もちろん今は日本人観光客が中心。
62 山手234番館 その2 63 えの木邸
64 エリスマン邸 その1 65 エリスマン邸 その2
華やかな洋館が建ち並ぶ、横浜山手ならではの風景である。
66 ベーリックホール その1
67 ベーリックホール その2 68 代官坂上交差点
69 フェリスホール 70 フェリス女学院中学・高校の門札
フェリス女学院中高は、神奈川一の超難関お嬢様校である。写真70の校札からして映画セットのようである。女の子があこがれるのも無理はない。
71 フェリス女学院中学・高校 72 カトリック山手教会
73 ケーキ屋さん 74 外交官の家 その1
イタリア山公園にあるのが、外交官の家とブラフ18番館だ。外交官の家はお金持ちの豪邸としてドラマのロケ地に選ばれているのを見たことがある。この家に住んで、丘から横浜市街を見下ろして暮らせたなら、さぞかし幸せだろう。
75 外交官の家 その2
76 外交官の家から見たみなとみらい方面 77 外交官の家から見たマリンタワー方面
78 ブラフ18番館
横浜共立学園もフェリスとともに横浜女子御三家と呼ばれる名門中学。
79 横浜共立学園 80 石川町駅
石川町駅は、周囲に女子校が多いため写真81のような光景が見られる。
81 石川町駅前 82 元町商店街 その1
石川町駅を過ぎると、横浜でももっとも歴史のあるおしゃれな商店街の代名詞、元町である。キタムラのバッグが有名だが、写真のとおり、ブランド店もたくさんある。
83 元町商店街 その2 84 元町商店街 その3
85 元町商店街 その4 86 元町商店街 その5
87 元町商店街 その6 88 中華街 その1
元町から川を挟んで反対側が有名な中華街だ。狭い路地に肉まんやシュウマイを売る店が続く。写真90のように鶏がそのままの姿で並べてあったりする。
89 中華街 その2 90 中華街 その3
91 中華街 朝陽門 92 ホテルニューグランド
ホテルニューグランドは、横浜でもっとも格式が高いといわれる歴史あるホテルである。もちろん元々は外人向けである。宿泊した人の中でも、有名なのは、あのダグラス・マッカーサーだ。聞くところによると彼はこのホテルに3度泊まったそうで、1回目は少年時代に父親に連れられて、2回目は新婚旅行で、3回目は仕事で、だそうである。その仕事は、日本への長期出張であった。昭和20年、当時の彼の役職は連合軍総司令官である。厚木飛行場に降り立った後、このホテルに直行したということだ。その後、東京に移った彼は、戦後の日本の事実上の最高権力者となる。
93 マリンタワー 94 銀杏並木
横浜を代表する観光資源であるマリンタワーと山下公園。山下公園は関東大震災のがれきを埋め立てて作られたそうだが、現在はハトやカモメが舞う全国的知名度と歴史を誇る海浜公園である。横浜の代表的な風景だ。
95 山下公園入口 96 ホテルニューグランド全景
97 氷川丸 98 夕暮れの山下公園からベイブリッジを望む
99 夕暮れの山下公園からみなとみらい方面を望む
100 インド水塔 101 インド水塔解説板
102 あかいくつ号 103 大桟橋・海岸通 その1
大桟橋付近もいかにも横浜らしい店が並んでいる。
104 大桟橋・海岸通 その2 105 大桟橋・海岸通 その3
日本大通りに着いた。歴史的にも、政治経済的にも、横浜港、そして神奈川県の心臓部といってよいだろう。
106 神奈川県庁 107 日本大通
みなとみらい線の日本大通駅から家路についた。
今日の道程は、もっとも横浜らしい核心部を歩いたといえるだろう。特に、本牧、山手と続く地域は、古く横浜が開港してからの歴史がそのエキゾチックな町並みに投影されている。もちろん、まだまだ歩いていない部分はあるがみなさんも是非自分の足で確かめて欲しい。次回はいよいよ横浜の新しい顔であるみなとみらい地区から横浜駅を通過する予定だ。お楽しみに。
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