多 摩 川 探 訪
山梨県と埼玉県の県境、奥秩父の山中から流れ出て、奥多摩湖を経て、多摩地区を流れ、神奈川県と東京都の境界を下り、羽田と川崎の埋め立て地で東京湾に注ぐ大河
◆第3+3日目 (2009年9月26日) 青梅駅〜鳩ノ巣駅
本日の踏破区間
(赤線)
青梅駅に降りると、昭和のレトロな雰囲気の洗礼を受けた。天気は曇りで、きれいな写真は期待できないが、暑くないのはありがたい。今日は、いよいよ扇状地を過ぎて、上流域となり、山中に刻まれる谷に入っていくことになるだろう。
本日の気象衛星写真 (日本気象協会 tenki.jp)
1 青梅駅構内のそば屋 2 青梅駅
駅から河岸段丘を下り、鮎美橋にむかう。残念ながら雲が多く、景色もややくすんでいる。
3 鮎美橋から下流を望む 4 鮎美橋から上流を望む
釜の淵公園は朝から中年男性と老人がやたらと多い。釣りをしたり、犬を散歩したりするほか、河畔のベンチに集まって話をしている。彼らの憩いの時間のようだ。この川を見続けてきた地元の人だろう。
5 釜の淵公園から見る河岸崖 6 柳淵橋から下流を望む
7 釜の淵公園解説版
8 柳淵橋から上流を望む 9 柳淵橋
公園を半周して、西側の橋から再び左岸に渡る。ここで、多摩川は180度向きを変え、公園を島のように取り囲んでいる。
10 万年橋から下流を望む 11 万年橋
もう河畔を歩ける道はないので、一般道をあるく。次の橋は万年橋である。万年とは、恒久的な橋を願った当時の人たちの願いからつけられた名前だろうか。
12 万年橋解説版
13 万年橋モニュメント群 14 万年橋の碑解説版
15 万年橋から上流を望む 16 男井戸女井戸 その1
大柳町の一角に、不思議な名前の井戸があった。二つの湧出口があるが、井戸というよりも湧水といったほうがよいかもしれない。現在でも、清水が湧き出ているようだ。残念ながら解説板がなかったので、現地では詳しいことがわからなかったが、後日、
解説
を見つけることができた。弘法大師は、地域の恩人として、全国どこでもよく出てくる名前だ。
17 男井戸女井戸 その2 18 青梅市大柳町付近の道
国道411号線に出ると、宮の平駅前の木陰で休む自転車乗りの若者たちがいた。
19 道端の八幡宮 20 宮の平駅
青梅街道を左折すると、和田橋である。深い水の色と崖の緑が美しい。
21 和田橋から下流を望む 22 和田橋から上流を望む
特に、淵の景観は、写真23のようになかなか絵になる光景である。
23 和田橋上流の美しい淵
このあたりの青梅線は、駅間の距離が短く、無人駅が続く。駅舎の古ぼけた味が、なんともいえない。
24 日向和田駅 25 神代橋から下流を望む
次の橋は、駅前に架かっている神代橋である。このあたりは、橋がないと多摩川の姿は望めない地形である。その神代橋から上流を見ると、写真26のようになかなか印象的な景色が広がっていた。
まず、左岸側、写真右上の崖に立つ豪華な教会のような建物は、日本国内とは思えない光景である。後で調べると、その豪華さの秘密がわかった。セントフローリア教会という、結婚式場らしい。あそこからみる多摩川の流れと緑の景色も多分すばらしいだろう。
写真左下には、カラフルなカヌーがたくさん写っている。カヌー教室だろうか。これくらい水と景色がきれいだと、カヌーも楽しそうである。
26 神代橋から上流を望む
神代橋を渡り、右岸を行くとやがて西中学校に突き当たる。その脇を進むと対岸の絶好のロケーションのところに、写真27のやけに大きな芝生が見えた。ゴルフ場でもないし、なんだろうと思って調べてみると、ブリジストン奥多摩園という厚生施設らしいが、ここはなんと、皇室ご用達の宿であった。道理で立派なはずである。そういえば、皇太子は山登りが趣味なので、奥多摩方面に行くのに泊まるのだろう。
さらに進むと右手に橋がかかっていた。好文橋という歩行者専用の橋だが、なかなかの高度感である。
27 青梅市梅郷付近から対岸を望む 28 好文橋から下流を望む
先ほど見た案内板には、右岸に沿って道があるように書いてあったので、橋をわたらずその先に進んだが、50mほどで、藪と崖に阻まれて引き返す。悔しいので、今度は橋の脇にある写真30の階段を降りて河原に行ってみた。
29 好文橋から上流を望む 30 好文橋から河原に降りる道
写真31のように、歩行者専用の橋にしては立派過ぎる好文橋である。たぶん、中学生の通学用の橋だろう。息を切らせて、再度橋まで登り返す。ここで、かなり時間と体力を使ってしまった。
31 河原から見上げた好文橋 32 小さな社
次に多摩川に出合うのは、奥多摩橋である。鮮やかな赤いアーチ橋だ。ここまでくると、橋も一車線で十分らしい。
33 奥多摩橋から下流を望む 34 奥多摩橋の赤いアーチ
対岸にわたり、右岸側の道を行く。
35 奥多摩橋から上流を望む 36 奥多摩橋右岸を上流側へ
このあたりは、吉野氷川線歩道という案内ポストが立っているが、いたって普通ののんびりした生活道路である。
やがて、軍畑(いくさばた)橋が見えた。この珍しい地名は、戦国時代に小田原北条氏が青梅を支配するための戦の戦場となったかららしい。詳しいことは
ここ
に書いてあるが、そう言われてみると確かに橋の造りや色も無骨な感じがする。
37 味のある家 38 軍畑大橋右岸側
39 軍畑の渡し跡
40 軍畑大橋から下流を望む 41 軍畑大橋から上流を望む
上流からは、色とりどりのカヌーやゴムボートが来て、橋の下を通りすぎていく。あまりに楽しそうなので、動画を撮ってしまった。
動画(カヌー)
動画(ラフティング)
42 ラフティングを楽しむ人たち 43 軍畑大橋
橋を渡り、左岸の国道を歩くと、写真44のような見事な石垣があった。さらに行くと、写真45の河岸遊歩道の入り口があったので、早速足取りも軽く降りていく。
44 見事な石垣 45 御岳渓谷遊歩道入口
そこには、期待以上の光景が広がっていた。自然の多摩川をこれほど間近に見られるとは、すばらしいの一言に尽きる。
46 御岳渓谷遊歩道 その1 47 御岳渓谷遊歩道 その2
多摩川は、緑の崖にはさまれて、巨岩、奇岩の間をエメラルドグリーンに輝きながら、自然のままに元気よく流れている。渓谷の名に恥じない景色だ。
48 御岳渓谷遊歩道 その3 49 御岳渓谷遊歩道 その4
歩道は、簡易コンクリート舗装だが、木製の桟橋もあって、よく整備されており、まったく危険はない。子供にも安全なハイキングコースである。
50 御岳渓谷遊歩道 その5 51 遊歩道沿いの石の社
広く深い淵では、カヌーの練習をしている。後で知ったことだが、軍畑から上流のこのあたりは、日本のカヌーのメッカであり、数多くの選手を輩出しているそうだ。ヨットで言えば江ノ島のような聖地なのだろう。
52 カヌー練習場 53 河原で遊ぶ人々
もちろん、カヌーだけでなく、一般の人も河原で水遊びやバーベキューを楽しんでいる。横田基地が近い場所柄、外国人もいるようだ。いつの間にか、青空が広がって、日差しがまぶしい。
午後の気象衛星写真
54 楓橋 55 御岳渓谷遊歩道 その6
この楽しい道を歩いていると、前方につり橋が見えてきた。なんとなく風流な雰囲気である。その名も楓橋というらしいが、写真57のように、人がたくさんいて、にぎやかである。道標を見ると、沢井駅前で、交通の便もいいようだ。料亭か茶屋か知らないが、気取った和風の店が京都のような佇まいで、建っている。観光地といってよいだろう。有名な造り酒屋もあるらしい。
56 御岳渓谷遊歩道、楓橋袂の案内板 57 楓橋上
58 楓橋から下流を望む 59 楓橋から上流を望む
対岸には、鐘撞堂とお寺らしき建物がある。
60 楓橋から左岸上流側を望む 61 鐘撞堂
62 楓橋から左岸下流側を望む
63 左岸から見た楓橋 64 寒山寺
お寺は寒山寺という名前だ。建物は、なんとなく中国風である。
65 寒山寺展望台から見る多摩川 66 左岸から楓橋を振り返る
このように、景色はすばらしい。ただ、残念ながら観光地化されており、人が多すぎる。たまたま、写真63、65に写っている中年男の団体にあたってしまった。どこで飲んだのか、すでにかなり出来上がっており、大声でしゃべりながら、橋をふさいでいる。写真を撮るためらしいが他の人が通れず、大変な迷惑だ。名札を見ると、某県庁所在地の消防団らしい。常勤ではないとはいえ、名札をつけているのなら、公務員として世間が見ていることを自覚してほしいものである。
寒山寺の脇を通り、今度は右岸の遊歩道をさかのぼる。楓橋の喧騒から離れて、再び静かに自然と伴走するすばらしい道だ。
67 湧き水 68 御岳渓谷遊歩道 その7
こちら側は、日陰になっており、湿気の多い苔むした道が続く。あちこちから水が湧いている。向こうから来たおばさんがにやっと笑ったと思うと、写真69のように、容器を取り出して、湧き水を汲みに崖に近づいていった。地図によると、このあたりは崖上に人家もなく、おいしい水なのだろう。
69 湧き水を汲むおばさん 70 御岳渓谷遊歩道 その8
暗い右岸とは対照的に、対岸は明るく、のどかな山里が広がっている。毎日川を見ながら地酒を飲んで暮らすのも悪くなさそうだ。
71 御岳渓谷遊歩道 その9 72 鵜の瀬橋から下流を望む
73 鵜の瀬橋
歩行者用の橋をわたり、左岸に渡る。遊歩道はまだまだ続いている。
74 鵜の瀬橋から上流を望む 75 御岳渓谷遊歩道 その10
76 御岳渓谷遊歩道 その11 77 御岳渓谷遊歩道 その12
茶屋があり、一服したい雰囲気の場所に出た。川の見える座敷で、そばでも食べたらおいしそうだ。
78 お山の杉の子記念碑 79 御岳渓谷遊歩道 その13
80 左岸から鵜の瀬橋を振り返る 81 御岳渓谷遊歩道 その14
それにしても、これだけたくさんの大きな岩がどうやって流れてきたのか、自然の力と造形美にただただ脱帽である。
82 御岳渓谷遊歩道 その15 83 御岳渓谷遊歩道 その16
84 御岳渓谷遊歩道 その17 85 御岳渓谷遊歩道 その18
正面に、つり橋が見えてきた。その下では、色とりどりのカヌーに乗った子供たちの歓声が響く。この美しい自然の中でカヌーに乗った経験は生涯の思い出になるだろう。
86 御岳小橋からみえるカヌーの練習 87 御岳小橋から下流を望む
88 御岳小橋から上流を望む 89 御岳小橋
90 御岳橋 91 対岸の美術館
大きなコンクリートのアーチ橋は御岳橋である。遊歩道からいったん橋に上がるために、階段を登ると正面に神社のような建物があった。よく見ると、御嶽駅である。字が「岳」ではなく、「嶽」であるのはなぜだろうか。しかも、駅前の信号は「御岳駅前」となっている。なんだか地元でも混乱しているようだ。
知らなかったが、ここは御岳山という古くからの信仰の山の玄関口で、
ケーブルカー
もあるそうだ。
関連サイト
大岳山 1267m 東京都檜原村/奥多摩町 2013年10月27日
92 御岳橋を見上げる 93 御嶽駅
94 御岳橋から下流を望む 95 御岳橋から上流を望む
橋の上から写真を撮って、再び川岸の遊歩道に降りる。
96 旧御岳万年橋跡解説版
万年橋という名前の橋は、朝にも通ったが、多摩川に3つあるらしい。ここが一番有名なのだろうか。
97 右岸上流側から御岳橋を振り返る 98 カヌー練習場
橋の上流には、写真98のような、ゲートがある本格的なカヌー練習場があった。
99 湧水 100 御岳渓谷遊歩道 その19
再び、歩行者専用のつり橋があった。上流には水力発電所と2つの放流口がある。
101 杣(そま)の小橋から下流を望む 102 杣の小橋から上流を望む
次も、神路橋というつり橋だ。
103 御岳渓谷遊歩道 その20 104 神路橋から下流を望む
上流は区画にわかれた釣り場になっている。対岸には、支流が流れ込んでいるのがわかる。
105 神路橋から上流を望む 106 大沢川合流地点
大きな岩の周りでは若者が楽しそうに遊んでいた。
107 御岳渓谷遊歩道 その21 108 名もない橋
いままで、多摩川という大きな川の橋をたくさん通ってきたが、長大だったり、高さがあったりと、それなりに恒久的で立派なものであった。しかし、ここで突然写真108のような、なんとも原始的な橋が出現した。天下の多摩川もついに、この程度の橋で渡れるほどまでになってしまったのである。もう、沢と呼んでもいいかもしれない。水も、沢と呼ぶにふさわしい清流である。橋から見る多摩川も、写真109、110のとおり、やたらと水面に近い。
109 108の橋から下流を望む 110 108の橋から上流を望む
111 奥多摩フィッシングセンター 112 フィッシングセンターへの橋
ここは、管理釣り場であるが、写真112のとおり、もう一本橋が架かっている。広々としてなかなか良い所だ。
113 112の橋から下流を望む 114 112の橋から上流を望む
特に看板はなかったが、地図上はやっと青梅市から奥多摩町に入る。さすがに青梅市は広い。境界線をはさんで2つの美術館があるが、ここで、ついに遊歩道が終わりになる。川を楽しむには、本当にすばらしい道であった。もっと有名になっても良いと思うが、私が知らなかっただけで、都民にとっては結構有名なのかもしれない。
115 おくたませせらぎの里美術館 116 国道沿いの蔵
また、しばらく青梅街道を歩く。古い街道だけあって、古そうな家や蔵が散見される。そして、地図にある小さなつり橋に降りるため、左に入る。
117 川井の古い家 118 梅澤橋上
この橋から見る多摩川下流は、江戸時代とあまり変わっていないのではないかと思えるほど、人工物がない素朴だが美しい景色である。
119 梅澤橋から下流を望む
上流には、立派な橋が架かっている。
120 梅澤橋から上流を望む 121 右岸から梅澤橋を見下ろす
奥多摩大橋である。多摩川に架かる新しい橋は、多摩何とか橋という、なんだか似たような名前が多くて混乱する。大げさでありきたりな名前でなく、もう少し地元に根ざした歴史的地名を考慮した名称にしてほしいものだ。
122 奥多摩大橋上 123 奥多摩大橋から見る川井駅
橋から電車が見えた。なぜあんなところで止まっているのか不思議に思ったが、地図を見ると川井駅であった。駅前に建物があるという先入観は捨てなければならない。電車はこんなローカル線なのになぜか中央線の通勤電車に似たような形だったので、少しがっかりである。
橋の下はキャンプ場になっている。不真面目な数人の男子生徒は奇声をあげながら川で泳ぎ、残りのまじめな男子生徒と女子生徒は、炊事の準備やら何やらで働いている。教師がどう指導しているのかは知らないが、川で泳ぐ彼らの人生はもう決まったようなものだろう。間違いない。そう思わないと、真面目な人達の人生がむなしくなりそうである。
124 奥多摩大橋から上流を望む 125 奥多摩大橋から上流を望む
名前はともかくとして、山並みに映える立派なつり橋であることは確かだ。
126 左岸上流側からみる奥多摩大橋
街道沿いの懐かしい新聞配達店を過ぎると、正面の木々の間から鉄橋が垣間見えた。
127 新聞販売所 128 万世橋遠景
鉄橋についた。万世橋である。谷は深く刻まれ、両岸の山肌の角度は鋭角である。この万世橋は狭く、たくさんのダンプが行き交うので生きた心地がしない。近くに採石場でもあるのだろうか。
129 万世橋から下流を望む 130 万世橋から上流を望む
国道を避けるため、橋を渡りきって右岸の道に入る。ここは、やたらと寂しい道だ。道端の石仏が不気味だ。一台だけ車とすれ違ったが、ドライバーは、何でこの道を歩いているのか、といったような怪訝な目で見ていた。立て看板によると、丹三郎−寸庭線という名前の林道で、一般車は遠慮してほしいというようなことが書いてある。「丹三郎」と「寸庭」という集落を結んでいるのだろう。
131 林道端にある石仏 132 丹三郎−寸庭線林道
川からずっと高い場所を通る、山賊に襲われそうな寂しい道を抜けて、やっと人里にたどり着く。怪談だと、妖怪に追われてたどり着いた民家にすんでいるのも化け物だった、などというオチがつきがちだが、ここはもちろん温かい人の生活が感じられる山間の集落である。一部空き家もあるが、まだまだ古い家も残っているようだ。写真134は雨漏り対策だろうか、ブルーシートが痛々しい。かといって、本物の杉皮で補修をしたら、とんでもない費用がかかりそうだ。
133 寸庭の集落 134 杉皮屋根?の家
135 寸庭橋から下流を望む 136 寸庭橋から上流を望む
橋を渡ると、車が一台もいない駐車場の横に、立派なトイレがあったので、思わず利用させてもらう。さすがに奥多摩だけあって、水道管には凍結防止のヒーターがついていた。寒冷地仕様のトイレである。
137 寸庭橋横にある公衆トイレ 138 古里附地区の小径
左岸の国道を歩くが、歩道がないので困る。幸い、ダンプがおらず交通量が少ないので助かった。少し歩いて、鳩ノ巣大橋を目指して左に入る。工事中だったので、警備のおじさんに挨拶すると、どこから来たのかといわれた。「青梅からだ」と答えると、「それなら近いな」といわれた。確かに隣町だが、青梅駅から歩くと結構距離があり、すでに足を引きずりつつあることは言わずにおいた。
139 棚澤付近から見下ろす多摩川 140 鳩ノ巣大橋から下流を望む
鳩ノ巣大橋は、名前は立派だが、通る人や車もなく、寂しいところであった。もちろん、ご覧のとおり、多摩川の谷は深い。
141 鳩ノ巣大橋から見る奥多摩の山なみ 142 鳩ノ巣大橋から上流を望む
143 雲仙橋 144 雲仙橋から下流を望む
途中から道が細くなり、雲仙橋を渡ると、国道に出る。
145 雲仙橋から上流を望む 146 鳩ノ巣駅近くの喫茶店
さらに坂を上り、やっと鳩ノ巣駅に着いた。すでに、16時を回っている。駅の構内は、写真148のとおり、どこか懐かしい雰囲気で、トンネルの向こうから蒸気機関車がやってきても違和感がないかもしれない。
147 鳩ノ巣駅 148 鳩ノ巣駅構内
今日は、青梅駅から多摩川上流域を遡った。両岸には山が迫り、だんだんと渓谷の様相を呈してきたのが、景色の移り変わりで実感できた。
前半は、多摩川に接することができたのは、橋からの眺めが主になるが、その分、青く澄んだ水と、深い淵、崖の緑と美しい姿を見せてくれた。
そして、今日の圧巻はなんと言っても数キロにわたって続く、御岳渓谷遊歩道であろう。これほど楽しい川の遡行は初めてといっても良いかもしれない。美しく、人の手がほとんど入っていない川のすぐ横を、何の苦労もなく歩けるところは、そう多くはない。途中、観光地化されているところもあるが、それはそれでアクセントになるし、何よりもその渓谷美を多くの人が認めているということである。鉄道が併走しており、首都圏に近い便利な交通も人気の秘密だろう。カヌーなどのスポーツも盛んである。いまさらながら、多摩川を楽しむためにも、ぜひ歩くことをお勧めしたいコースだ。
次回も渓谷を遡上することになるが、どんな多摩川の景色が見られるのか、今から楽しみである。
本日の踏破区間
(赤線)
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